12月19日、各地でJ1リーグの最終節が行なわれ、昨季J1王者の横浜F・マリノスは敵地で横浜FCに1-3で敗戦。試合後、キャプテンのMF扇原貴宏は「今シーズンを物語るような試合内容だった」と唇をかんだ。

上写真=2シーズン連続でキャプテンを務めた扇原(写真◎J.LEAGUE)

■2020年12月19日 J1リーグ第34節(@ニッパツ:観衆6,766人)
横浜FC 3-1 横浜FM
得点:(横浜FC)志知孝明、田代真一、瀬沼優司
   (横浜FM)オナイウ阿道

「この順位にいることに責任を感じる」

 今季のラストゲームとなった横浜FC戦では序盤に主導権を握られ、前半16分までに2失点。その後1点を返したものの、後半に3失点目を喫し、13年ぶりに「横浜ダービー」で土をつけられた。

 11月下旬からカタールで集中開催されたACLに出場していた横浜FM。公式戦は約2週間のインターバルが空いており、報道陣から試合勘の問題を指摘されたが、ボランチで先発した扇原は「日程はまったく関係ない。自分たちの試合の入り方が悪かっただけ」ときっぱり。「今シーズンを物語るような試合内容、試合の入り方をしてしまって本当に情けなく思う」と語った。

 J1連覇や初のアジア制覇を目標に掲げて臨んだ今季だったが、リーグ戦は9位、ACLはベスト16で敗退するなど無冠に終わった。「過密日程の中で良いパフォーマンスを出せたかと言えば、出せなかったことのほうが多い」と扇原。ACLの日程変更により、夏場に22連戦が組まれるなど過酷な戦いを強いられた。それでも「タフなシーズンでもコンディションを維持したり、パフォーマンスを向上させないといけないと感じた。特別なシーズンではあったけど、この順位にいることに責任を感じるし、もっと成長しないといけないと痛感させられた」と、ベクトルを自分自身に向ける。

 喜田拓也、マルコス・ジュニオールとともに今季のチームキャプテンを務めた扇原は「この結果を全選手が受け止めて、もう一回優勝するんだという気持ちを持って、来シーズンはもう一度強いマリノスを見せられるようにイチから頑張りたい」と決意。「チームもそうですけど、個人としても成長して、タイトルに貢献できるような選手になっていきたい」と、30歳を迎える来季への意気込みを語った。

取材◎多賀祐輔