12月19日、ニッパツ三ツ沢球技場でJ1リーグ最終節が行なわれ、横浜FCがライバル横浜F・マリノスとのダービーマッチを制した。試合終了後にはベルギー2部のロンメルへ完全移籍するFW斉藤光毅が、サポーターに別れの挨拶を行なった。

上写真=ロンメルへの完全移籍が決まっているFW斉藤(写真◎J.LEAGUE)

■2020年12月19日 J1リーグ第34節(@ニッパツ:観衆6,766人)
横浜FC 3-1 横浜FM
得点:(横浜FC)志知孝明、田代真一、瀬沼優司
   (横浜FM)オナイウ阿道

「横浜FCの名を世界に広める」

 横浜FCの一員として最後の試合は、横浜F・マリノスとの「横浜ダービー」となった。

 来季からベルギー2部のロンメルへ完全移籍することが決まっている19歳の斉藤は、一美和成との2トップで出場し、キックオフ直後から得意のドリブルでチャンスメーク。すると9分、松浦拓弥からのスルーパスを受けて右サイドを突破し、鋭いグラウンダーのクロスで志知孝明の先制点をお膳立てした。

「あそこに蹴り込めば誰か入ってくるだろうという感じで蹴って、志知さんが素晴らしいシュートを決めてくれて良かったです」

 その後もカウンターの起点となって攻撃をけん引し、72分に交代するまでピッチを駆け回った。チームは3-1で勝利し、13年ぶりにダービーマッチで勝利。J1昇格1年目のシーズンを勝利で締めくくった。プレー中は「最善を尽くすことに集中していた」という斉藤だが、「試合が終わったときはこみ上げるものがあった」と胸の内を明かした。

 試合後には退団セレモニーが行なわれ、マイクの前に立った斉藤は「海外で活躍して、横浜FCという名前を世界各国に広めることが一番の恩返しだと思う。横浜FCで経験してきた楽しさ、喜び、悔しさを自分の財産、誇りにしてサッカー人生を歩んでいきたい。これからは元横浜FCの選手として、日本の顔になるような選手になっていきたいと思います」とサポーターに誓った。

 横浜FCにはジュニアユース時代から8年間在籍。高校2年時の2018年にプロ契約を結び、J1初挑戦の今季はリーグ戦32試合に出場して3ゴールを記録した。

「試合に出るためにどうするべきなのか、自分の特徴を出すためにはどういうプレーを選択すればいいのか、そういうのはJリーグで学べたことだと思う」

 将来の目標はプレミアリーグの強豪でプレーすること。そして「欧州チャンピオンズリーグの決勝で点を決めたい」と語る19歳は、「ここがスタートライン」と決意を新たにベルギーへ旅立つ。

取材◎多賀祐輔