FC東京の森重真人がJ1最終節のヴィッセル神戸戦を前に取材に応じた。カタールで戦ったACLではラウンド16で敗退したが、すでに気持ちは次へ向かい、新たな戦いへと動き出している。神戸戦は必勝を誓った。

上写真=J1最終節の神戸戦に向けて小平グランドで練習する森重真人(写真◎FC東京)

次へ向かう強い決意

 ACLを戦ったカタールから帰国して最初の試合となった12日の広島戦、森重はコンディションを考慮され、ベンチ外となった。外から見つめたその試合に、若い選手たちの「気持ち」を感じたという。

「向こうで試合をやって、いろんなことを感じたことが、この前の広島戦でも出ていたと思う。カタールに行って帰ってきて、そこでまで試合ができるというのは自分らにとってもプラスなことだと思います。次の試合には良い準備をして、リーグ戦の最終戦で、ホームでできますし、ファン・サポーターの皆さんの前で最後、良いプレーをしたいと思います」

 ラウンド16で北京国安に敗れ、森重自身も悔しさを味わった。だからこそ『次』が大事になる。そこで塞ぎ込むのか、顔を上げるのか。若い選手やACLで出番が限られていた選手たちは顔を上げて戦い、そして1-0の勝利をつかんだ。今度は、広島戦でベンチ外となっていた選手が思いを示す番だ。

 ACLでは本来のCBだけではなく、途中からアンカーでプレーするなど、選手としての『幅』を示したが、森重はキャリアを重ねても変わらず向上心を持ち、自身の成長を求めている。先日、かつてともにプレーした1歳年下の吉本一謙が現役引退を発表した。「自分より若い選手が引退するのは寂しい気持ちもある」とする一方で、自らを奮い立たせてもいる。代表でプレーした中村憲剛も今季で現役としてのキャリアを終え、同世代の内田篤人は一足先に、今季途中でスパイクを脱いだ。

「サッカーをこの年齢になってもできていることに感謝したいですし、まだまだ第一線でやりたいなと思います。
 若手にとって、今年はチャンスかなと思っていた中で、自分らの役割があるし、必要になってくる。まだまだできるんだ、必要とされているんだというところで、価値を見出していかないといけないと思ってきました」

 3度目のACL出場で、はっきりと目指すべきものを確認することになった。Jリーグ制覇に加えてアジア制覇も達成すべき目標だ。明日のホーム最終戦を勝利で終えて、まずは来年1月4日のルヴァンカップで優勝し、そして来季リーグを制して2022年にはACLへーー。明日の神戸との試合から、森重にとって次の目標へ向かう戦いが始まる。