明治安田生命J1リーグ第32節が12月12日に各地で開催され、埼玉スタジアムでは浦和レッズと湘南ベルマーレが対戦。ともに決め手を欠いてスコアレスドローに終わり、浦和は3試合、湘南は5試合白星なしとなった。

上写真=湘南が長く主導権を握り、浦和も終盤はゴールに迫ったが、最後まで得点は生まれなかった(写真◎J.LEAGUE)

■2020年12月12日 J1リーグ第32節(@埼スタ:観衆14,847人)
 浦和 0-0 湘南

・浦和メンバー◎GK西川周作、DF岩武克弥、岩波拓也、橋岡大樹、山中亮輔(86分:宇賀神友弥)、MFマルティノス(86分:武田英寿)、エヴェルトン(64分:柴戸海)、長澤和輝、汰木康也(74分:阿部勇樹)、FW杉本健勇(74分:武藤雄樹)、興梠慎三
 ※実際のポジションで表記

・湘南メンバー◎GK後藤雅明、DF舘幸希(90+5分:大岩一貴)、石原広教、田中聡、MF岡本拓也、松田天馬(81分:古林将太)、柴田壮介、齊藤未月(64分:山田直輝)、畑大雅、FW中川寛斗(64分:大橋祐紀)、石原直樹(81分:梅崎司)

「あと一歩が足りなかった」(浮嶋監督)

 前半からペースを握ったのは、アウェーに乗り込んできた湘南だった。持ち前の素早いプレスで何度もボールを奪取し、サイドを起点にチャンスを作る。左サイドの畑が果敢に縦に仕掛けてクロスを送れば、右サイドの岡本はカットインからシュートを狙った。

 後半になっても湘南の運動量は衰えることなく、攻守両面で果敢にチャレンジしていく。ボールを奪えば、次から次に選手たちは前へ出ていった。途中からピッチに入った元浦和の山田も、はつらつとプレー。クロスに飛び込んでゴールを狙うなど、古巣のスタジアムで元気な姿をアピールしていた。

 一方、後半途中までエンジンがかからなかった浦和は、途中出場の選手が活力をもたらし、終盤にようやく見せ場を作る。武藤がボールを引き出し、高卒ルーキーの武田が際どいシュートを放つなどスタジアムを沸かせた。武田はこの日がJ1デビュー戦とは思えないほど、落ち着いてボールをさばいて好機を生み出した。
 
 ただ、両チームとも決め手を欠き、消化不良のスコアドローで試合終了。湘南の浮嶋敏監督は試合後、詰めの甘さを悔やんだ。

「あと一歩が足りなかったです。最後、点を取り切るところが課題として残ります。シュートを打つ一歩手前までは攻撃を作れていたのですが…。クロスボールを手前のところで、ひっかけられることも多かったです」
 
 一方、ホームで勝ち星を拾えなかった浦和の大槻毅監督は、無得点に終わったことを反省しながらも、必死に前を向いていた。

「失点をゼロに抑えたのはよかった。武田もデビューしましたし、ウチで長く活躍してきた阿部も、ようやくケガから戻ってきました。ポジティブな要素を拾って頑張ります」

現地取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE