横浜FCの下平隆宏監督が名古屋グランパス戦を前にオンラインで取材に応じた。9月にホームで対戦した際に好勝負を演じ、競り勝った相手との再戦から始まるラスト3は、チームにとって極めて重要だ。指揮官は来季につなげる試合にしたいと語る。

上写真=オンラインで取材に応じた下平隆宏監督(写真◎スクリーンショット)

シーズンを締めくくる勝負の1週間

 横浜FCにとってのラスト3は厳しい戦いになる。相手の順位を見ると、3位名古屋、2位ガンバ大阪、そして最終節は順位こそ9位だが横浜FMとのダービーマッチが控えている。

 現在、横浜FCは勝ち点29で15位に位置するが、14位の鳥栖とは2ポイント差、16位の湘南とは4ポイント差。勝ち点を積めば順位を1つ上げられる可能性あり、逆に足踏みするようだと16位以下に転落する可能性がある。下平監督は通常のシーズンなら降格圏にあたる16位以下にならないという目標を掲げ、シーズンの終盤を戦ってきた。つまり、ここからのラスト3試合の成績に、その目標を達成できるか否かがかかっている。

「1週間で3試合ある中で、その1つ目が名古屋戦(12日)。名古屋は今、ACL目指して、絶対勝ちに来るとは思うので、そういう相手にしっかり勝てるように。前回対戦したときはホームで良いゲームをして、今季の一番いいゲームだったと思うくらいの出来だったので、アウェーでも良いゲームができるようにしたい」

 ファーストステップが、名古屋戦になる。前回ホームで対戦した16節の試合では(9月13日)、前半早々に先行されながらもすぐに逆転し、後半追いつかれるも終盤に突き放して3-2で勝ち切った。下平監督が「今季一番の出来」というのも納得の好ゲームだった。

「名古屋はおそらく守備をメインにというか、良い位置からプレッシャーをかけてボールを奪ってカウンターというのが特に鋭い。そこで前回は前からはがして、しっかり自分たちの時間帯にできました。それがうまくいったので、今回もまたそういう形にできればとは思っています」

 名古屋のプレスをかいくぐり、磨き続けてきたビルドアップからボールをしっかり運んでネットを揺らす。前回はそれがはまったが、相手はACL出場権獲得へ絶対に負けられないという意気込みで来るだろう。まして前回のリベンジという思いもあるかもしれない。横浜FCにとっては、正念場だ。

「鳥栖には追いつきたいですし、逆に下には追いつかれないように勝ち点を積んでいきたいと思います。あとは来季に向けて、1試合1試合、この3試合をしっかり戦って積み上げていきたい」

 J1定着を目指し、指揮官はチャレンジするシーズンと位置付けて、積極的にボールを動かす能動的なスタイルの習得に取り組んできた。そんなチームにとって、「通用した」感覚をもってシーズンを終えるのか、「通用しなかった」思いを抱いて終わるのかは、大きく違うだろう。横浜FCは今日12日、名古屋戦から来季に向けても重要なラスト3に臨む。