上写真=昨日9日から練習を再開したFC東京。まだ時差ボケが残るという原大智も軽快な動きを披露(写真◎FC東京)
最後の質が足りなかった
ACLの激闘を戦ったカタールから帰国し、チームはすでに動き出している。現地6日の昼にラウンド16の北京国安戦を戦い、その日の夜便で帰国。7日に日本に到着し、翌8日はオフ。そして昨日9日に練習を再開した。
帰国早々、ハードなスケジュールをこなす中、もちろん、ラウンド16で敗れた悔しさは胸に残っている。
「どちらのチームにもチャンスはあったと思いますが、最後のところは質も含めて相手の方が上回っていた」
「相手のレベルが高かったのもあると思うんですが、ボールを持っている時間は前半も後半も多かった中で、サイドの崩し、例えばクロスから点を取るのか、スルーパスから連係して点を取るのか。質が伴わなかったと思いますし、最後のシュートの質が足りないと感じました」
ACLの感想を問われると、反省が口をついた。ただ、それらを悔やんでいるだけでは先に進めないことも原はよく分かっている。だから残り3試合(J1リーグ2試合、ルヴァンカップ決勝)が重要になる。意識を前へ向けた。
「国際大会を経験できたことはよかったですが、球際の強さだったり、勝負にこだわる部分だったり、それは必要だと感じたし、今後に生かしていきたい」
誤解を恐れずに言えば、幸いにもFC東京にはまだタイトルを懸けた戦いが今シーズン中に残っている。原は言う。
「ACLを逃してしまって、ルヴァンしか、タイトル取るチャンスがない。ただ、大きなチャンスだと思いますし、ルヴァンは1回勝てばいい。チーム全員で必ず勝ちたいと思います!」
アジアの厳しい戦いを経て、若きアタッカーは自身の成長への意欲とタイトルへの欲求がますます高まったと話す。「このチームでタイトルを取りたいというのは思いましたし、ルヴァンでこの悔しさを晴らしたいと思います」というのは偽らざる本音だろう。
コロナ禍でイレギュラーなシーズンと日程となったことを受けて、U-23チームがJ3不参加となり、自身はJ1でデビューを飾り、出場機会を増やした。そしてACLに初参加し、ルヴァンカップ決勝も控えている。
キャリアの中でも最も濃密と言ってもいいかもしれない2020年シーズンを笑顔で締めくくれるように。原大智は、残り3試合に持てる力をすべて注ぐ覚悟だ。