AFCチャンピオンズリーグでクラブ史上初の決勝トーナメント進出を決めた横浜F・マリノスだったが、1回戦で韓国の水原三星に逆転されて2-3で敗れて敗退することになった。終了直前に意地のゴールを決めたオナイウ阿道が漏らした本音。

上写真=自らのゴールで2-3としながらも敗れたオナイウ阿道も、呆然とした表情(写真◎Getty Images)

■2020年12月7日 ACL決勝トーナメント1回戦
(リモートマッチ/@カタール・ハリファ インターナショナル スタジアム)
横浜FM 2-3 水原
得点:(横)エリキ、オナイウ阿道
   (水)キム・テファン、キム・ミヌ、ハン・ソクジョン

「もっと勝つという気持ちを出せたんじゃないかな」

 82分に水原三星に3点目を決められて1-3になったところで、オナイウ阿道は84分にピッチに飛び出していった。残り時間は6分とアディショナルタイム。ただゴールを目指していくだけだった。

 すると90+1分、右サイドでボールを収めた天野純が得意の左足にボールを持ち替えた。ゴール前でDFの背中側を取ったオナイウにボールが送られてくる。DFの頭上を越えて落ちてきたところにダイビングヘッド。ゴール右に流し込んで2-3として、同点への希望を生んだ。

 しかし、そこからチャンスは巡ってこなかった。

「コンディションも良かったと思いますし、点を取るというフォワードとして必要な部分は、ほかにもチャンスはありましたけれど、得点を取るというところではできていたと思います。フォワードの選手としてはどんなときでも常に求めなければいけないし、最初からでも途中からでも時間を与えてもらったときに、今日みたいにゴールという結果を残せることは自分の今後につながってくると思います」

 この大会は2月に2試合を消化した後に中断、11月からカタールでの集中開催となり、オナイウは28日、再開第2戦の上海上港(中国)戦で先発した。1-2で敗れたが、一時は同点となるゴールを仲川輝人のセンタリングから蹴り込んで決めている。4-1で快勝した12月1日の全北(韓国)戦では、75分から登場、天野との好連係で左からのセンタリングに合わせてシュート、左ポストを直撃してはね返ったボールがGKに当たって転がり込む4点目になった。公式記録ではオウンゴールとなったが、半分はオナイウの得点と言っていいだろう。4日のグループステージ最終戦ではシドニーFC(オーストラリア)に1-1で引き分けたものの、フル出場で首位通過を成し遂げた。

 そして、水原戦での一発。再開後の出場4試合で「2.5ゴール」を挙げて、オナイウのアジアでの挑戦は幕を閉じた。

「自分たちのサッカーがやれている時間ではアジアでもしっかりとやれていると思うし、勝ちにつながるゲームができていましたが、今日の試合の特に後半のように、なんでそうなったのか分からないようなシーンがあって、予選ではまだ次があるというのがあったけれど、結局トーナメントでこういう試合をしてしまうとこういう結果になるというのを改めて痛感しました」

 足りなかったのは、気持ち、だと感じている。

「試合に出ている選手、出ていない選手に関わらず、もっと勝つという気持ちを出せたんじゃないかなというのが、僕が今日はサブから見ていて思ったのがすべてですね」

 だからこそ、本音もこぼれる。

「本当に悔しいですしまだ帰りたくないですし、本当にもったいないなというのが本音の気持ちです。まだリーグ戦はありますし、最後の試合をみんなでチャレンジして、気持ちをぶつけて、最後にサポーターの皆さんに戦っている姿を見せられればいいと思います」

「横浜F・マリノス2020」のラストゲームは12月19日のJ1第34節、横浜FCとの横浜ダービーだ。