横浜F・マリノスが、負けた。ラウンド16で韓国の水原に2-3の逆転負け。クラブ史上初めてグループステージを突破したが、優勝を目指していただけに悔しすぎる敗戦。キャプテンの喜田拓也が語った言葉に、未来への光が見えるはずだ。

上写真=喜田拓也はキャプテンとして堂々と戦い抜いた(写真◎Y.F.M)

■2020年12月7日 ACL決勝トーナメント1回戦
(リモートマッチ/@カタール・ハリファ インターナショナル スタジアム)
横浜FM 2-3 水原
得点:(横)エリキ、オナイウ阿道
   (水)キム・テファン、キム・ミヌ、ハン・ソクジョン

「簡単に言葉にできない」

 横浜F・マリノスがラウンド16で敗退した。韓国の水原三星に2-3で逆転負け。喜田拓也の縦パスから仲川輝人、エリキとつながった20分の先制ゴールは鮮やかだったが、その後、3点を奪われ、最後にオナイウ阿道が決めたものの、そこまでだった。

 先発した喜田は78分までプレーして、和田拓也に後を託して結局、この大会を終えることに。試合後、キャプテンとして、逃げることなく敗戦の弁を述べた。一言一言、区切るように、絞り出すように、ゆっくりと、ていねいに。

「まずは大会が開催できたことに対しては、いろいろな人の力、協力がないと実現できないことでした。こうして僕たちが戦う場を用意してくれたのは感謝しかないし、当たり前と思ってはいけないと、全世界、全人類が感じたと思うので、そこに感謝を持たなければいけないのが一つあると思います」

「ベスト16で大会を去ることになって、ゲーム前からマリノスに関わるすべての人たちの突破に対する思いを感じていただけに、この結果に対して、本当に簡単に言葉にできないような気持ちでいます」

「一発勝負で後悔しても、もうこのチャンスは帰ってこないし、それは試合前から分かっていたことで、シンプルに水原が勝ちたい、次に進みたいという気持ちが上回ったからこういう結果になったと思うので、まだそこに対する思いだったり気持ちの強さだったり、総合的に自分たちの力が次に進むだけの力じゃなかったということだと思います」

「2020年のACLという意味ではもうチャンスはないし、ただクラブとしてはリベンジの機会は自分たちの手でつかみ取るしかないし、これから先、ACLのキップを自分たちの力で取って、またこの舞台に戻ってきて、今日、自分たちが見た壁を突破していくしか方法はないと思います」

「みんな、かけていただけに、すぐ次というのはなかなか難しい状況ではあると思いますけど、今日という日は帰ってこないということを肝に銘じつつ、それでも無駄にしちゃいけないし、それでも前に進んでいかなければいけないと思うので、横浜F・マリノスというチームがどうやって進んでいかなきゃいけない、どうやって強くなっていかなきゃいけないというのは、チームにいるすべての人が考え抜いて実行に移していければ、この壁は必ず越えられると思うので、それはもう真摯に受け止めていきたいなと思います」

 いつか壁を越えるために。2020年12月7日の悔しさは永遠でなければならない。