11月25日、ACLのグループステージ第6節が行なわれ、すでに首位でのグループステージ突破が決まっていたヴィッセル神戸は、次戦を見据えてメンバーを入れ替えつつ、水原三星(韓国)と対戦した。見せ場なく敗れることになったが、次戦の上海上港(中国)とのラウンド16への準備を整えた。また、広州恒大(中国)を抜いて逆転で決勝Tへ進出した水原は、ラウンド16で横浜F・マリノスと対戦することになった。

上写真=後半63分からプレーした酒井高徳(写真◎Getty Images)

■2020年12月4日 ACL第6節 (@ハリファ・インターナショナルスタジアム)
神戸 0ー2 水原三星
得点:(水)キム・ガニ、イム・サンヒョプ

・神戸メンバー◎GK前川黛也、DF西大伍(63分:酒井高徳)、渡部博文(46分:菊池流帆)、トーマス・フェルマーレン(46分:ドウグラス)、山川哲史、初瀬亮、MF山口蛍、アンドレス・イニエスタ(46分:古橋亨梧)、安井拓也(69分:郷家友太)、藤本憲明、小田裕太郎

・水原メンバー◎GKヤン・ヒョンモ、DFキム・テファン、チャン・ホイク、ミン・サンギ、ヤン・サンミン、イ・キジェ、MFハン・ソクジョン、パク・サンヒョク(46分:キム・ガニ)、キム・ミヌ(90+1分:カン・ヒョンムク)、FWイム・サンヒョプ(83分:チェ・ソングン)、コ・サンボム

ラウンド16を見据えて調整

 決勝トーナメントへの入り方もにらみながら試合に臨んだ神戸は、ここ2試合のメンバーをシャッフル。4-3-3のフォーメーションでサイドバックに山川哲史、ウイングに西大伍を配するなど、先発メンバーと起用法にも前節とは変化をつけた。

 前線からプレスをかけずに攻め込ませてカウンターを狙う水原に対し、ボールを動かす時間を増やしていくものの、シュートに持ち込む場面は少ない。逆に水原の方が、開始12分のサイドライン際へ大きくボールを展開して鋭いクロスが続いた場面など、やり切るプレーが多かった。

 神戸はようやく23分に初シュートを放つが、なかなか流れに乗れず。前半終了間際の43分には、イニエスタがうまく相手を1人かわして、そのままドリブルでシュートまで持ち込んだが、見せ場の少ないままハーフタイムに入った。
 
 後半開始から神戸は一気に3人を交代させ、フォーメーションも4-4-2へと変更。ギアを上げようとした、だが、その矢先の49分、FKから与えたCKであっさりと決められ、先制を許してしまった。

 2点差で勝利すれば逆転で決勝トーナメントへ進める水原は、先制点でガ然勢いが出てくる。神戸も交代で入ったドウグラスが単独突破でゴールに迫る場面もあったが、全体の連動はうまくかみ合わないまま時間が進んだ。むしろ、素早い切り替えから一気にゴールに迫るのは水原で、60分過ぎから神戸にとっては危険な場面が続いた。

 次に試合が動いたのも、切り替えからだった。カウンターに対して、ギリギリで菊池がクリアしたものの、続くCKの場面でPKを献上してしまう(67分)。飛び出したGK前川がボールに触れることができず、放たれたシュートはポストを叩くも、クリアしようとした安井が手でボールに触れてしまったのだ。このPKにより点差が開くことになった。

 失点直後に最後のカードを切ったものの、神戸は流れを変えられず。主力組のプレー時間を管理するなど、中2日で臨むラウンド16の上海上港戦へ向けた調整の意味合いの濃いゲームではあったが、0-2で敗れることになった。