上写真=今大会、初出場を果たした高丘陽平。安定したセーブでチームに落ち着きをもたらした(写真◎Y.F.M)
■2020年12月4日 ACL第6節
(リモートマッチ/@カタール・アルジャノブ スタジアム)
シドニーFC 1-1 横浜FM
得点:(シ)トレント・ブハジアー
(横)實藤友紀
「勝負強さを発揮して決勝戦まで」
4試合目にして、初めてアジアのピッチに立った。しかし、反省ばかりが口を突く。
「決勝トーナメント進出は決まっていましたけど、ここで勝ってつなげられるようにと思っていました。僕は初出場でしたけど、チーム勝たせて行きたくて、それができなくて残念です」
悔やんでいるのは、失点のシーンだ。1-0でリードしていた29分、中盤で奪いきれずにバウムヨハンに前を向かれて、ハイラインの裏にきれいにパスを通された。抜け出したブハジアーに左足で向かって左に流し込まれる同点ゴール。高丘としてはできることをしたが、1対1の局面ではそれも限られてくる。でも、矢印は自分に向ける。
「そこで止めれば勝てたと思うので、もっともっとレベルアップしないといけないと思います」
10月23日にサガン鳥栖から加わって、まだ約1カ月半。だがすぐに出場機会を得てJ1リーグでは4試合に出場して、カタールにやってきた。このチームのスタイルにもなじみ、ていねいなキックでボールの循環を促している。
もちろんシュートストップも安定している。この日は後半開始早々にバウムヨハンとの1対1の場面を迎える大ピンチがあったが、冷静に勇敢に前に出てストップしてみせた。決められていたら、逆転弾になるところだった。
「90分の中ではああいうピンチは何回かは絶対にあると思っていたので、落ち着いて対応できたとは思います」
準備の効果だと話すのだが、続きがある。
「失点のシーンがそれ以上に頭の中にあるので、あれを止められるようにならなければいけないと思います」
やはりどうしても、自分自身に対してあの失点が許せないのだ。その悔しさが糧になるに違いない。とはいえ、チームとしては順調だ。またも中2日の過酷な日程で、決勝トーナメント1回戦が迫っている。
「いい雰囲気で来ていますし、勝つことに貪欲にやっていて一体感もあります。いい流れをトーナメントで継続してできるようにしていきたいと思います。一発勝負なので、勝負強さを発揮して決勝戦まで一つ一つ、しっかり戦えれば」