FC東京はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)第6節、パースグローリー戦に臨み、1-0で勝利。グループFの2位でラウンド16進出を決めた。前節と先発6人入れ替えて臨んだが、前半にアダイウトンが挙げた1点を守り切り、見事に勝ち切った。

上写真=先制ゴールを挙げたアダイウトン(写真◎F.C.TOKYO)

■2020年12月3日 ACL第6節
(リモートマッチ/@カタール・エデュケーションシティ・スタジアム)
パースグローリー 0-1 FC東京
 得点:(F)アダイウトン

・FC東京メンバー:GK波多野豪、DF中村拓海、渡辺剛、丹羽大輝、、中村帆高、MF品田愛斗、三田啓貴(57分:安部柊斗)、東慶悟(68分:高萩洋次郎)、内田宅哉(68分:レアンドロ)、アダイウトン(84分:紺野和也)、田川亨介(57分:原大智)

・パース・グローリー・メンバー:GKリアム・レディー、DFメイソン・タタフ、ダリル・ラフマン(65分:ルーク・ボドナール)、ジョナサン・アスプロポタミティス、ニコラス・ウォルシュ(46分:デイン・インガム)、MFデクラン・ヒューズ、ニール・キルケニー、ダニエル・スタインズ(46分:ディエゴ・カストロ)、FWブライス・バフォード(46分:ブルーノ・フォルナロリ)、MFカルロ・アルミエント、ジョルダーノ・コッリ(65分:ジョシュア・ローリンズ)

出場機会の少ない選手が試合を作ってくれた(長谷川監督)

 ラウンド16進出のかかる大一番はカタール入り後、中2日の連戦で4戦目だった。戦前から選手のコンディションを見極めた上で選手を起用すると長谷川健太監督が話していたが、前節と先発を6人を入れ替える。アダイウトン、田川、東、品田、中村帆、丹羽。品田と丹羽にいたっては今大会初出場だった。

 ただ、それは指揮官にとってギャンブルではない。誰が出ても「東京らしく戦く」ことができるという信頼の証だ。実際、開始8分にいきなりゴールを奪う。しかも今大会初出場の選手から、カタール入り後、初先発となる選手へのパスが決め手になった。

 自陣でボールを受けた品田が相手ディフェンスラインの裏にジャストなタイミングでボールを送り、アダイウトンが左サイドを抜け出す。一気に加速してそのままボックス内に進入し、逆サイドを狙って右足インフロントでボールをたたく。シュートは見事にゴールへ吸い込まれた。

 早い時間帯に先制ゴールを奪ったのは前節の蔚山現代戦も同じだった。ただ、FC東京はその後に受けに回ってしまい、結局逆転負けを喫することになる。この試合ではその反省をしっかり生かした。得点後もアグレッシブさを失わず、2点目を取りにいく。他会場の蔚山と上海申花の試合で上海が勝った場合、FC東京は決勝トーナメントに進出を得失点差で争うという状況だった。それゆえに1点でも多く取ることが必要ではあった。その後もアダイウトンや田川、内田が積極的に仕掛けていった。

 後半は相手が圧力を強め、ボールを持たれる時間が長くなる。とくに開始直後はチームの重心も下がりがちになったが、守備陣は集中したプレーをみせた。丹羽もピンチには躊躇なく体を張る。そして長谷川監督は疲れの見えた選手を早め早めに交代させ、チームに前に出る姿勢を取り戻させていった。同時刻に行なわれている蔚山対上海は前半のうちに蔚山が2-0とリード。FC東京に無理する必要はなくなったが、それでもアグレッシブな姿勢を貫いた。

 その結果、FC東京は1-0で勝利をものする。最少得点での勝利だが、内容的には盤石だったと言っていい。勝ち点を10に伸ばした。一方で他会場では上海が1-4で蔚山に敗れ、勝ち点7のまま変わらず。FC東京がグループF2位でラウンド16進出を決めた。

「きょうは出場機会の少ない選手が試合を作ってくれたと思います。とくにアダイウトンの先制ゴールは、チームに力と勇気を与えてくれたと思います。他会場の結果も、後半は少し気にしながらも、次の1点を取ってダメを押したかったのですが、なかなか簡単な試合にはさせてもらえなかった。本当に予選を通じて選手全員がチームの勝利のために頑張ってくれた。選手に感謝したい」

 指揮官が言う通り、ここまで出番が限られていた選手たちが勝利に大きく貢献した。チーム全員でネクストステージの扉を開いたと言えるだろう。大会を勝ち上がっていく上で、非常に大きな一勝になった。

 次戦は12月6日。FC東京はラウンド16で、グループE1位の北京国安と対戦する。

■グループF順位表(最終結果)
1 蔚山現代(勝ち点16/5勝1分け/得失点9)
2 FC東京(勝ち点10/3勝1分け2敗/得失点1)
3 上海申花(勝ち点7/2勝1分け3敗/得失点-4)
4 パース・グローリー(勝ち点0/1分け5敗/得失点-6)