セレッソ大阪の技術委員長に就任した風間八宏氏が2日、オンラインでの取材に応じた。C大阪で指導者の育成、アカデミー年代の選手指導にあたる風間氏は「初めての挑戦なので楽しみにしている」と語った。

上写真=オンラインで報道陣の質問に答えた風間氏(写真◎スクリーンショット)

「目をそろえていきたい」

 技術委員長という新たなポストに就任した風間氏は「僕の仕事は指導者の育成、技術の向上」と自身の役割を説明。技術委員長はアカデミーダイレクターの下に位置し、U-18以下のアカデミーからスクールまで、指導者を中心に幅広く指導にあたる。

 C大阪はJ2に降格した2006年から育成型クラブを標ぼうし、トップチームで活躍する選手をアカデミーから数多く輩出してきたが、南野拓実(リバプール=イングランド)以降は世界で活躍する選手が出てきておらず、育成部門のさらなる強化のため風間氏に白羽の矢が立った。

 風間氏は現役引退後の1997年から桐蔭横浜大、筑波大で大学生を指導し、近年は川崎フロンターレ、名古屋グランパスでJクラブの監督を歴任。「トップチームでやってきたからこそ分かることもある。どういうふうに選手の力を伸ばしていくか。理念、考え方が一致してオファーを受けた」と話した。

 指導において重視することは、これまでと変わらず「止める・蹴る」と語った風間氏。C大阪では指導者の育成がメインとなるが、「子どもたちのために何が一番必要なことかを考えてやっていきたい。指導者は指導者、選手は選手というふうに分けて考えていない」。トップチームで再び監督を務める可能性については「いまは考えていない」と語り、「才能のある選手を見逃さないように、目をそろえていきたい。次から次へと選手が出てくる仕組み作りをしていきたい」とイメージを膨らませる。

 風間氏が期待するのは「ワクワクする選手」の登場。「若い年代でワクワクしない選手は、トップに行ってもワクワクしない。マラドーナは子どもの頃からお客さんが集まってくるような選手だった」と先月亡くなったアルゼンチンの英雄の名を挙げ、「いま日本ではチーム戦術のことばかり言われるが、個人戦術を身につけなければできない。個人戦術の部分をしっかりやっていきたい」と、技術委員長として個のレベルアップに力を注ぐ。

 現在はテレビ解説者なども務める風間氏だが、今後は大阪に生活の拠点を置く。「地理を勉強しているところ」と笑いながら、「初めての挑戦なので楽しみにしている。皆さん明るいので、早くその雰囲気に慣れていきたい」と話した。