11月29日、明治安田生命J1リーグは第30節が開催され、浦和レッズは鹿島アントラーズと敵地カシマスタジアムで対戦。前半早々に上田綺世に先制点を許すと、後半には上田に2点目を奪われるなど3失点。攻撃陣も振るわず、0-4の完封負けを喫した。

鹿島とのアウェーゲームに敗れ、スタンドのサポーターに頭を下げる浦和の選手たち(写真◎J.LEAGUE)

■2020年11月29日 J1リーグ第30節(@カシマ:観衆11,645人)
鹿島 4-0 浦和
得点:(鹿)上田綺世2、エヴェラウド、レオ・シルバ

「アウェーに駆けつけたサポーターに申し訳ない」

 試合後、リモート会見の席についた大槻毅監督は険しい表情を浮かべた。

「非常に残念な結果だと思っています。ゲームの入りのところの早い失点、後半の早い時間の失点も含めて、ゲームコントロール、ゲームの中での強度のところ、局面のバトルも含めて、残念な結果でした。局面のところであれだけ(相手に)上回られるとゲーム自体が非常に難しくなります。そういったところを90分間、感じながら試合(時間)が過ぎていったなと。残念なゲームでした」

 前半早々に鹿島に先制を許し、後半には3失点を喫した。“たられば”は禁物だが、前半終了間際の再三にわたるチャンスを一つでも物にしていたら、最終結果はまた異なるものになっていただろう。山中亮輔も「チャンスは何度かあったので、そこで1つでも(得点が)入っていたら違う結果だったかな」と振り返る。

 それでも、指揮官は「開始直後から球際を含めての戦いで、もう少しやらなきゃいけない場面が多かったゲーム。開始から局面のところでのバトルに関しては残念だった」と、スコアのみならず試合内容でも完敗を認めた。山中も「鹿島の選手に全部上回られた印象。何から何まで負けていた」と肩を落とす。

 浦和が鹿島に4失点を喫して敗れるのは、2017年天皇杯4回戦(2-4)以来のこと。リーグ戦では1994年11月までさかのぼる(NICOSシリーズ第20節・2-4)。浦和が4-0で鹿島を下したことは過去に2度あるが(2003年ナビスコカップ決勝・2006年J1リーグ第12節)、そのスコアで鹿島に敗れたのは、1993年のJリーグ開幕以降では今回が初となる。まさに歴史的大敗となった。

「アウェーに駆けつけてくれたサポーターに申し訳ない。たくさんの応援してくれているサポーターがいるので、そのファン・サポーターのために戦っていきたい」

 山中は悔しさをかみ締めながら、名誉挽回へ湘南、川崎F、札幌との今季ラスト3試合を見据えた。

現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE