難しい試合をモノにした。相手の激しいチャージと不慣れなジャッジに苦しみながらもFC東京は上海申花に2-1で勝利。この決勝トーナメント進出へ向けた重要な一戦で輝いたのが先制ゴールを挙げたレアンドロだった。

上写真=ゴールへの意欲と勝利への執念をみせたレアンドロ。この試合のMOMにも輝いた(写真◎Getty Images)

■2020年11月27日 ACL第4節
(リモートマッチ/@カタール・エデュケーションシティ・スタジアム)
上海申花 1-2 FC東京
得点:(上)ジオバンニ・モレーノ
   (F)レアンドロ、安部柊斗

この先もチャンスはある

 値千金のゴールだった。前半からチームとして再三、チャンスを迎えつつも、ネットを揺らすことができずにいた。優勢であるには違いないが、ゴールを奪えないという嫌な展開。前節、上海申花に敗れた試合がフラッシュバックするような流れとも言えた。

 後半開始早々にはディエゴ・オリヴェイラが負傷交代。それまでチャンスを生み出していたアタッカーを失って、いっそう嫌なムードが漂い始めた時間帯だった。レアンドロが、チームに活力を与えるゴールを決めたのだ。

 安部柊斗が送った縦パスをボックスの手前でアダイウトンが受けて東慶悟につなぐ。東がボックス内へパスを送ると、絶妙なタイミングで走り込み、冷静に右足を振った。ボールは相手GKの届かない位置へと飛び、ゴール右のサイドネットを揺らした。

「前半、非常にたくさんチャンスがありましたが決められませんでした。先制点は相手のミスをうまく突いてゴールを決められました」

 試合開始直後から、レアンドロはいつも以上にゴールへの強い意欲を示していた。19分にはゴール左に外れる惜しいシュートを放ったのを皮切りに、26分のブレ球ミドルはGKに好守に阻まれ、37分ににはD・オリヴェイラの落としからダイレクトシュートで狙ったが、惜しく枠をとらえられなかった。

 だからこそ本人は自身の得点について試合後に反省を込めて振り返ったが、攻めの姿勢とゴールがチームに与えた影響は大きかった。「チャンスがありつつ、いろんなプレッシャーから、なかなかゴールを決められない状況の中で、レアンドロがよく先制点を決めてくれた」と長谷川健太監督も話した価値ある先制点だった。
 
 その後、安部が2点目を挙げ、相手の反撃を1点に抑えてFC東京は勝利を飾った。引き分けでは16強入りが困難となる状況の中で、点を取って勝ち切るというミッションを見事にやり遂げた。

「難しい試合に勝つことができました。この先もチャンスはあると思うので、次に向けていい準備をしたい」

 自力突破が可能な状況を取り戻すための重要な一戦。厳しく激しい戦いの中で、レアンドロはその力をあらためて証明した。