AFCチャンピオンズリーグ(ACL)が再開し、横浜F・マリノスは11月25日、上海上港に1-0で競り勝った。難しい初戦に先発した和田拓也はハイレベルな選手たちと渡り合った上で、改めて自分たちの強みを再発見したのだった。

上写真=再開初戦で先発した和田拓也。45分のプレーだったが自信を深めた(写真◎Y.F.M)

「勝ち点以上にチームとして大きな勝利だった」

 横浜F・マリノスのアジア王者への道は、難敵・上海上港への1-0の勝利で再び始まった。0-0のまま進んだ90分に、高野遼の左からのクロスを仲川輝人がヘッド、GKが弾いたところに天野純が詰めて蹴り込んだ。

 和田拓也は先発出場、相手の攻撃を司る元ブラジル代表のオスカルと何度も対峙していった。

「キープ力があって、前を向いたときの怖さはありました。ファウルをもらうのがうまくて手こずりましたね」と苦笑いだが、決定的な仕事はさせなかったと言っていい。

 プレータイムは前半の45分のみとなったが、好感触だったのはつなぎの部分。「中盤でくさびになったところではもっと前を向けたかなというイメージではありますが、受けるのはできたと思います」。最終ラインと前線をつなぐリンクマンとしてのプレーで、隣に並んだ扇原貴宏とともにボールを配っていった。

 もっと前を向けた、という心残りは「マークがルーズになっている」と感じたから。「動きながら背後を取るのについてくることができていない」と弱点も見つけていて、これは中2日でもう一度上海上港と対戦するゲームで生かしていきたい。

 相手の球際の強さは中国のクラブらしいところで、「マークに捕まらないようにすることは意識しました」と回避に努めた。一方で守備面には反省もある。

「守備のところで少しファウルが多くなってしまいました。相手にいいキッカーがいて、1点勝負というところでちょっと(ファウルを与える)回数が多くて。相手はあまり攻められない中でチャンスを与えてしまったかなというのが反省点です」

「Jリーグの感覚で行くとファウルになりますね。審判によっても違うのかもしれないけれど、昨日はコンタクトのところでかなりファウルを取られる印象です。Jと比べるとやりにくさはありましたね」というのが正直な印象。「適応するのに少し時間がかかってしまった」と反省するだけに、国際大会、しかもアジアでの大会ならではの感覚に早くフィットしたいところだ。

 攻撃面でもチェックポイントはあって、「こちらの3トップのところを相手は5バックにして、マンツーマン気味に来ていたので、スピードアップできなかったところは工夫が必要だと思います」とチームとしての課題も見つけてある。

 とはいえ、初戦の難しさに見舞われながらも、最後に勝ちきる最高のスタート。「勝ち点以上にチームとして大きな勝利だったと思います。中2日で同じ相手との対戦になりますが、マリノスとしては相手のことを分かった状態で戦えるので、やりやすさはあるかなと思います」と自信も深めた。

「チームとしての一体感はほかのチームと比べていいものを持っていると思っていますし、短期決戦で層の厚さやチームの雰囲気で勝っていけるのは自分たちの強みだと思います」

 優勝するまでは帰れない。