横浜FCの下平隆宏監督が23日、オンラインで取材に応じ、シーズンの終盤戦と明日25日の清水エスパルス戦に向けて意気込みを語った。例年なら残留争いをしている順位にいることを自覚し、残り6試合に全力を注ぐと誓った。

上写真=オンラインで取材に応じる下平監督(写真◎スクリーンショット)

前回対戦した清水とは別のチーム

 今シーズンに臨むにあたって、横浜FCの下平監督は勝ち点45を一つの目標に掲げていた。28試合を終えて獲得した勝ち点は28。残り6試合に全勝してギリギリ届くものの、現実的には難しい。13年ぶりにJ1の舞台に上がり、現在15位につける。一貫したコンセプトのもとチームの強化を図り、若手の力を伸ばして選手層の拡充に努めながらシーズンを戦ってきた。チームの予算規模を考慮し、その事実にフォーカスすれば、評価すべき内容と言えるだろう。ただ指揮官自身は、満足はしてない。残り6試合に向けて、気を引き締める。

「勝ち点45というところは数字上厳しくなっています。残りの試合にはもう一回、自分たちの目標を整理して臨みたいと思っています。現在15位。例年であれば、16位以下は参入戦に回り、17位、18位はJ2降格です。今は順位の下の3チームには絶対に入らない、15位以上という順位を死守しなければいけない。その上で一つでも二つで順位を上げていけるようにようにという話を選手にもして、残り6試合に向けて、意思統一をしました」

 新型コロナウイルスの影響で今季はレギュレーションが変更され、J1に降格はない。しかしながら、現在の順位は例年なら『残留争いの渦中にある』ということになる。16位の湘南ベルマーレとは勝ち点5差、14位のサガン鳥栖とは同勝ち点ながら得失点差で13ポイント差をつけられている。残り6試合で積み上げられる勝ち点は最大18。1ポイントでも多く取ることをチームは目指している。まずは次節(25日)の清水エスパルス戦。ホームゲームでもあり、勝ち点3の獲得はマストだ。清水の印象について下平監督が語る。

「監督が平岡(宏章)さんに代わって、コンセプトとしては守備をまずしっかりやるというチームなったと思います。あとは中央のコンビネーションがよくなっていると感じます。そのためのタレントも置いていると思いますし、そのタレントには注意しないといけない。前回対戦したときは別のチームという印象を持っています」

 前回対戦時は(11節・8月22日)、敵地ながらボールの握り合いを制して3-2で勝利を飾り、クラブ初の3連勝を達成した。その試合とは今回は趣きが異なるという。守備意識を高めた相手に対していかにボールを握るかがポイントか。

「もう一回、自分たちのプレーモデルのところを落とし込む時間がありました。有意義な時間になったと思います」

 今季はタイトな日程の中で戦ってきたが、前節のサンフレッチェ広島戦から清水戦まで10日間という時間があった。久々にリフレッシュするとともに、改めてチームコンセプトも確認できたと指揮官は言った。清水戦への準備は、万端だ。

「残り6試合をただ過ごすのと、しっかり戦うのとでは意味が変わってくる。例年だったら、すぐ下はJ2に落ちている位置だということを再確認して戦っていかないと、来年にもつながっていかないと思う」

 来季につながるラスト6。横浜FCの戦いぶりに注目だ。