FC東京の長谷川健太監督が21日、ACLが集中開催されるカタールでオンライン取材に応じた。24日の上海申花戦が再開初戦。勝ち進めば、決勝の12月19日まで1カ月間、滞在することになる。コロナ禍で厳格に行動制限され、かつタイトな日程の中で、いかにアジアの頂点を目指すのか。指揮官が意気込みを語った。

上写真=21日、カタールで1時間半の練習を行なったFC東京。長谷川監督の指導にも熱が入る(写真◎FC TOKYO)

連れてきた選手はフィールド21名、GK3名

 チームは昨日20日にカタールに到着してPCR検査を受け、陰性確認後に軽く体を動かしたという。本格的な練習は今日21日の朝から。宿泊先のホテルから練習場へバスで移動し、約1時間半、30度の暑さ中で汗を流した。ケガによって仙台戦を欠場していたディエゴ・オリヴェイラも渡辺剛も含め、フィールドプレーヤー21名、GK3名の24人全員がメニューをしっかりとこなしたようだ。

 現地からオンラインで取材に応じた長谷川監督はカタールの雰囲気について「空港からホテルへバスで移動し、その後はホテルから一歩も出られない状態で、今後も練習場と試合会場への行き来だけ。ほぼほぼホテルに軟禁状態というのは大会が終わるまで変わらないと思います」と、コロナ禍で行なわれるACLは、やはりこれまでとは違う雰囲気があると説明した。

「ピッチは素晴らしくいいんですけど、硬めで、スタジアムも同じような状態と聞いています。人工芝的な硬さというか。やはり日本とは異なる中で戦わなければいけない。きょうで二日目ですが、選手たちもこの状況に慣れつつ、少しずつ試合に向けて準備を進めてくれるんじゃないかなと思っています」

 18日のJ1仙台戦を終えて、選手には帰京の際に「バスの中でなるべく寝ないように」と伝えるなど、時差調整にも努めてきた。ただ、長谷川監督自身も昨晩は午前1時に目が覚めるなど、日本と6時間の時差を解消するにはもう少し時間がかかりそうだ。

 リーグ再開初戦は24日。相手は上海申花(グループステージ第3節)だ。その上海申花とは中2日で行なわれるGS第4節でも対戦する。チームを率いる崔康熙(チェ・ガンヒ)監督はかつて韓国の全北現代を指揮しており、長谷川監督はガンバ大阪時代2015年に対戦している。そのときは準々決勝で当たり、1勝1分けでG大阪が準決勝に駒を進めた。現在のチームの印象については、「当時の全北と(やっている)サッカーの印象はあまり変わらないです。非常にタイトでアグレッシブで、フィジカルを生かしたサッカーをしてくる。非常に難しい再開初戦になるのかなと思っています。上海申花との2試合(第3節、第4節)がグループステージ通過のカギになると思っていますので、いい状態で臨むことができれば」と語った。

 タイトな日程と厳しい環境も含め、これまでに経験したことのないタフな戦いを乗り越えた先に、アジアの頂点はある。前述の2015年大会、長谷川監督は準決勝で広州恒大に敗れ、3位に終わった。タイトル奪取への思いは選手と同様に強いものがあるだろう。

 短期決戦は、最初が肝心。良い流れを作るべく、まずは24日の上海申花戦に全力で臨む。