上写真＝ゲーム終盤まで激しい攻防が繰り広げられた大分対川崎F（写真◎J.LEAGUE）
■2020年11月21日 J1リーグ第28節（＠昭和電ド／観衆9,820人）
大分 1-0 川崎F
得点:(大）野村直輝
サプライズを起こせてよかった（片野坂監督）
勝ち点2を取れば自力で優勝が決まる川崎Fだが、序盤から大分の攻めを受ける形になった。ビルドアップの局面で巧みに人を余らせる相手に対し、プレスがはまらず、決定的な場面を作られる。
6分にボックス内でボールをつながれて野村にシュートを許し、8分には伊佐に至近距離からシュートを打たれた。その後も19分に伊佐、24分に野村のシュートを浴びたが、いずれもGKチョン・ソンリョンが好守で何とかしのぐ。
飲水タイムを経て、フォーメーションを4-3-3から4-2-3-1に変え、相手の陣形に合わせて立ち位置を修正した。だが、その効果を発揮する前に、大分にゴールを奪われることになる。36分、センターサークル付近から送られた町田のパスにCB谷口が対応したものの、背後の野村に収められる。ボックス内に入り込まれて慌てた谷口は思わず手で野村を引き倒し、一発退場。PKを献上してしまう。これをその野村に決められ、大分に先制を許すことになった。
一人少ない状況になった川崎Fはボランチの守田をCBに下げて4-3-1-1にフォーメーションを変更。前半の残り時間を何とか切り抜けると、後半開始から中村に代えて田中、長谷川に代えて三笘を投入。攻めのギアを入れ直した。
しかし、攻めの姿勢を出したものの、大分の牙城を崩すことができない。60分を過ぎてから選手を次々に投入し、スコアを動かしにかかったが、結局、最後までネットを揺らすことはできず。0-1のまま試合を終えることになった。
「（中2日での疲労が）ないと言ったらウソになりますが、このゲームに関してはそういう疲労も乗り越えていかなければいけない戦いだと思っていました。選手にもそういう話はしていました。結果は残念ですが、1人減っても最後まで点取る姿勢を出してくれた。そこのところを次のゲームにつなげていきたいと思います」
中2日の川崎Fと18日ぶりの試合だった大分との間に準備期間の差があった。ただ、鬼木達監督は言い訳せず、「自分たちの問題」と話して前を向いた。一方、勝利を飾った大分の片野坂知宏監督は、こう言って勝利に胸を張った。
「ホームの試合で、相手も優勝の決まる川崎。非常にいい成果と良いゲームをして、サプライズを起こせてよかった。ホームでファン・サポーターに勝利をプレセントできてよかったです。これまでに大分はこのドームでJ3降格したり、J2優勝決められたり、悔しい思いをしてきたので、J1優勝のかかる川崎を阻止したい思いありました」
川崎Fの優勝は持ち越しとなった。明日22日に開催される浦和レッズとガンバ大阪の試合で（16時開始）、2位G大阪が引き分け以下の結果なら、川崎Fの優勝が決まる。そこでも優勝が決まらない場合は25日、川崎FはホームでG大阪との直接対決に臨むことになる。