11月14日、日産スタジアムで行なわれたJ1第27節で横浜F・マリノスは浦和レッズから6ゴールを奪い、ホーム最終戦を勝利で飾った。4ゴールに絡む活躍を見せたMF水沼宏太は「チームのためにやるべきことはできた」と胸を張った。

上写真=得点後にゴール裏サポーターを指差す水沼(写真◎J.LEAGUE)

■2020年11月14日 J1リーグ第27節(@日産ス:観衆18,148人)
横浜FM 6-2 浦和
得点:(横)ジュニオール・サントス3、前田大然、小池龍太、水沼宏太
   (浦)OG、マルティノス

「自分を目一杯、表現できた」

 右サイドハーフとして2試合ぶりに先発した水沼は、開始2分のジュニオール・サントスの先制点をアシストすると、10分と37分にも必殺のクロスで追加点をお膳立て。前半だけで3アシストを記録し、今季のアシスト数をリーグトップタイの10に伸ばした。

 後半に入った67分にはオナイウ阿道との連係でペナルティーエリア内に侵入し、左足でチーム5点目をマーク。「阿道がイメージ通りの完璧な落としをしてくれたので、あとは流し込むだけでした」。自身にとっては今季3点目。これまでの2点はビハインドの状況でのゴールだったため、初めて得点後に大喜びした。「ホーム側のゴールに決めることができて本当に良かった。3連敗していて勝たなきゃいけない状況でゴールを決めて、勝ち点3を取ることができたことが良かった。チームのためにやるべきことはできた」と語る表情は充実感に満ちていた。

「自分がピッチに立つというのはどういうことなのかを頭の中で整理して、とにかくチームを勝たせるために、自分の持っているものをすべて出そうと思いました。1試合1試合、自分を出し尽くすことをテーマに掲げていつもやっていますが、きょうは自分を目一杯、表現することができたのかなと思います」

 試合後にはチーム選出のマン・オブ・ザ・マッチに選ばれ、マイクを持った。「マリノスの選手として日産スタジアムで喋るのは初めて。小さい頃から夢見ていたピッチで勝利に貢献できて、喋れるのはなかなかないこと。すごく幸せなことだと思いました。ホーム最終戦で自分の中ではちょっと遅かったけど、しっかり気持ちを伝えることができたので良かった」。今季、10年ぶりにアカデミー時代から過ごした古巣に復帰し、長年の夢をようやく叶えることができた。

 マイクを持った水沼はサポーターに感謝の思いを伝えるとともに、「アジアチャンピオンを目指して頑張りましょう!」と呼びかけた。リーグ連覇の夢は潰えたが、今季はまだACL(アジア・チャンピオンズリーグ)が残っている。「とにかくがむしゃらに。日本を代表して、マリノスの名前をアジアに広められるように、チャンピオンを目指して頑張りたい」。愛するクラブのために、アジアの舞台でも暴れるつもりだ。

取材◎多賀祐輔