サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」で、メディア横断企画「DAZN Jリーグ推進委員会 月間表彰」を実施している。当サイトでは、明治安田生命J1リーグにおいて、最も優れたゴールを表彰する「月間ベストゴール」受賞者へのインタビューを掲載する。10月の受賞者は、横浜F・マリノス戦で加入後初ゴールを決めたセレッソ大阪のFW豊川雄太。9月のMF清武弘嗣に続き、2カ月連続でC大阪からの受賞となった。

ベルギーで変わったゴールへの欲

26節の大阪ダービーでもゴールを決めた豊川(写真◎J.LEAGUE)

――2018年から2年間、ベルギーでプレーしたことで、ゴールに対する考え方は変わりましたか?

豊川 ベルギーに行って最も大きく変わったのが、ゴールへの欲です。それまで日本ではサイドハーフでプレーすることが多く、チームのためにどう動くかを中心に考えていたのですが、クロード・マケレレ監督(現役時代はレアル・マドリード〈スペイン〉、チェルシー〈イングランド〉などで活躍した元フランス代表MF)は、体が大きくない自分を1トップで起用して「とにかくゴールを決めろ」と言ってくれました。

――最初にマケレレ監督に言われたとき、戸惑いはなかったですか?

豊川 自分自身もフォワードでプレーしたいと思っていたし、「ここで結果を出せば、ずっと起用してもらえるぞ」と考えたことを覚えています。1トップで起用された初めての試合でゴールを決め、その後もコンスタントに決めて、レギュラーに定着することができました。だんだんディフェンダーとの駆け引きに楽しさを感じるようになり、ゴールを中心に考えるようになったんです。

――ベルギーでのキャリアに区切りをつけてJリーグに復帰したことは、大きな決断だったと思います。セレッソ大阪のために、より多くのゴールを決めたいですね。

豊川 まだゴール数は物足りないので、もっと周りに要求して、たくさん決めていきたいです。ベルギーよりコミュニケーションを取りやすいですし、セレッソはゴール前までボールを運んでくれる選手が多くいるので、仲間を信じて待っていればパスは出てきます。それを決めるためにも、もっと動き出しを磨き、精度を高めていくことが必要です。

――初ゴールの次の試合、浦和レッズ戦では先制点を決めましたが、1-3で逆転負け。続くガンバ大阪戦では0-1から同点ゴールを決めたものの、1-1の引き分けでした。チームが勝利すればゴールの喜びも、より大きくなります。

豊川 ルイス・スアレス(アトレティコ・マドリード=スペイン)や、セルヒオ・アグエロ(マンチェスター・シティ=イングランド)のように、苦しい状況でゴールを決めてチームを勝たせるのが、すごいストライカーですから、自分もそういう選手になりたいです。最も大事なフォワードの仕事は、ゴールを決めること。この気持ちをぶれることなく持ち続けて、今季の残り試合でも、セレッソの勝利につながるゴールを決めていきたいです。

取材・構成◎石倉利英