11月12日、鹿島アントラーズのエヴェラウドが練習後のオンライン取材に応じた。ここまで14ゴールを挙げ、得点したすべての試合でチームに勝ち点をもたらしているエヴェラウド。2日後の川崎フロンターレ戦でもゴールと、チームの勝利を目指す。

上写真=11月12日、トレーニングを行なうエヴェラウド(写真◎KASHIMA ANTLERS)

ダミアンとの縁。「日本に来てもライバル同士」

 エヴェラウドがゴールを決めれば、鹿島は負けない。特に第26節(前倒し開催)のFC東京戦以降は得点した試合がすべて勝利につながっている。象徴的なのは第24節の広島戦。三竿健斗のロングパスを胸で収め、力強くドリブルで敵陣を突き進み決勝ゴールを挙げた。前回の横浜FM戦では豪快なミドルシュートで同点ゴールを挙げ、チームの逆転勝利につなげた。

「そういうデータがあることを僕はまったく知らなかったので驚いているし、同時にうれしく思います。ただ、僕自身が目立つよりも、チームの勝ち点3が一番重要。そうやって(ゴールで)貢献できていることは非常に喜ばしいし、土曜日も可能であれば、僕が得点すると負けないということを継続できればと」

 エヴェラウド本人は個人の記録よりも、あくまでチームの成績にこだわる。ただ、「土曜日」(11月14日)の川崎F戦に勝利するためには、エヴェラウドのゴールも必要となるだろう。現在、J1で首位を独走する相手に、今季はリーグ戦(第2節・1-2)とルヴァンカップ(第2節・2-3)で2度敗北を喫しているが、内容は悪くなかったことを強調する。

「確かに(川崎Fに)2敗しましたけれど、内容的には互角、あるいはそれ以上でした。ただ、評価されるのは勝ち点3を取ったか、取っていないかということ、リーグ戦とルヴァンカップで勝ち点を失った相手なので、しっかりと準備は進めなくてはいけません。フロンターレに最大の敬意を払いつつも、一番大事なのは自分たちのやり方ではないかなと。チームがあれ(川崎F戦の敗北)以来、上昇気流に乗ってきて、良い成長曲線を描いていますので」

 チームの成熟度をはかる上では、ここまで圧倒的な強さを示している川崎Fとの対戦はこの上ない機会だろう。そして、川崎Fの最前線にも、屈強な体と優れた技術、そして類稀なる得点感覚を持つレアンドロ・ダミアンというストライカーがいる。

「サッカーの世界って、おもしろい世界だなと。彼もブラジル出身で、僕がプレーしていた地域のライバルチームであるインテルナシオナルでプレーをしていました。僕はグレミオでプレーをしていて。日本に来てもこうやってライバル同士になるというのは、非常におもしろいなと思っています。土曜日、彼は自分のチームのためにプレーをし、僕も自分のチームのためにプレーをする。そのプレーがチームに貢献できるものになればいいし、土曜日は僕が勝ち点3を取れるような形になればと思っています」

 かつてはブラジル・ポルトアレグレを本拠地とするライバルチーム同士で戦っていたことを明かす。当時、グレミオのエヴェラウドは水色、インテルナシオナルのレアンドロ・ダミアンは赤のユニフォームをまとっていたはずだが、くしくも現在は真逆のチームカラーに身を包み、ともに9番を背負って戦っている。そんなブラジル人FWが前線でけん引する両チームの一戦は、攻撃的な試合になるとエヴェラウドは予想する。

「両チームともボールを保持して、相手ゴールに向かう。それが魅力(のチーム)でもあり、見ている側には非常に面白みのある試合になるのではないかと予想しています。見ている方も楽しいし、おそらく我々やっている方も楽しい試合になるのではないかと。リーグ戦において、我々は一つの目標があります。その目標を達成するためには、この相手を倒さないといけない」

 エヴェラウドがゴールを決めれば、鹿島は負けない。首位の川崎Fを相手にもその“不敗神話”を継続させ、「目標」とする来季のAFCチャンピオンズリーグと今季の天皇杯出場権獲得を目指す。