11月11日の明治安田生命J1リーグ第7節で、サンフレッチェ広島と名古屋グランパスが対戦。序盤に先制した広島が終盤にセットプレーで加点、守備も最後まで崩れず、8試合ぶりの完封勝利を収めた。

上写真=レアンドロ・ペレイラ(39番)のゴールで先制した広島が完封勝利(写真◎J.LEAGUE)

■2020年11月11日 J1リーグ第7節(@Eスタ:観衆2,508人)
広島 2-0 名古屋
得点:(広)レアンドロ・ペレイラ、森島司
    (名)なし

・広島メンバー◎GK林卓人、DF野上結貴、荒木隼人、佐々木翔、MF茶島雄介(74分:柏好文)、川辺駿、青山敏弘(87分:エゼキエウ)、東俊希(84分:井林章)、浅野雄也(74分:ドウグラス・ヴィエイラ)、森島司、FWレアンドロ・ペレイラ(84分:永井龍)

・名古屋メンバー◎GKランゲラック、DF成瀬竣平(69分:オ・ジェソク)、中谷進之介、丸山祐市、吉田豊(82分:宮原和也)、MFマテウス、稲垣祥、米本拓司(82分:ジョアン・シミッチ)、相馬勇紀(69分:前田直輝)、FW阿部浩之、金崎夢生(48分:石田凌太郎)

狙いとする形で先制ゴール

 このカードは当初、7月26日に開催される予定だったが、名古屋の選手とスタッフに新型コロナウイルスの陽性判定が出たため、当日になって中止に。新型コロナウイルスの影響で中止になった初めてのケースで、日程調整を経て11月の開催となった。
 
 日が暮れてから徐々に冷え込みが厳しくなる中、序盤にスコアを動かしたのは広島だった。16分、名古屋GKランゲラックがバックパスをMF米本につないだ縦パスに広島MF川辺が素早く寄せ、高い位置でのボール奪取に成功。これを拾ったレアンドロ・ペレイラが右足で蹴り込み、均衡を破った。
 
 狙いとする奪取速攻で先制した広島は、直後にも敵陣でのボール奪取からショートカウンターでゴールに迫り、攻勢を強めていく。名古屋はMFマテウスの個人技などで局面の打開を図るものの、なかなかシュートまで持ち込めない。広島もラストパスの乱れなどで追加点は奪えず、そのまま広島の1-0リードで前半を終えた。

 後半、反撃に転じたい名古屋は出鼻をくじかれた。FW金崎が広島DF佐々木と競り合った際、右ヒザをひねってピッチに倒れ込み、そのまま担架で運ばれて退場。マッシモ・フィッカデンティ監督が試合後の会見で「すごく悪いのかな、という感覚がある」と語った負傷で、48分にMF石田が交代出場することとなった。

 名古屋はアクシデントがありながらも、後半はボール支配率を高めたものの、良い形でのフィニッシュには至らず。広島もカウンターのチャンスを生かせず、こう着状態が長く続いたが、79分に広島がセットプレーで追加点を奪う。エリア外右寄りで得たFKをMF森島が直接狙うと、右ポストに当たったボールが内側にはね返り、止めようとしたGKランゲラックに当たってゴールに吸い込まれた。

 試合は結局、そのまま広島が2-0で勝利。広島の完封勝利は10月の第20節・サガン鳥栖戦(〇3-0)以来、8試合ぶりとなった。城福浩監督は、開始3分に先制された11月3日の第26節・浦和レッズ戦(△1-1)を踏まえて「前節の試合の入りは強く反省しなければいけなかったので、本当に良い入りをした。ほとんど相手にスキを見せずに得点を重ねていくことができた」と会心の勝利を喜んでいた。

現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE