11月10日、鹿島アントラーズの上田綺世が練習後のオンライン取材に応じた。11月3日の横浜F・マリノス戦では、土居聖真からのパスを巧みにトラップして豪快なシュートをゴールに蹴り込んだ。生粋のストライカーは次節の首位川崎フロンターレ戦に照準を合わせる。

上写真=11月10日、トレーニングを行なう上田綺世(写真◎KASHIMA ANTLERS)

1週間前にはスーパーゴール。「聖真くんのおかげ」

 11月3日に前倒し開催されたJ1第31節の横浜FM戦では、2点ビハインドの前半39分に反撃の狼煙を上げるゴールを決めた。土居聖真からのライナー性のパスを巧みにコントロールし、右足を振り抜いて豪快にゴールネットを揺らした。上田綺世のゴールを皮切りに、チームは3点を奪って逆転勝ちを収めた。それから1週間が経ち、上田の脳裏にゴールの記憶がよみがえる。

「聖真くん(土居)のボールがピンポイントに来たことがすべて。聖真くんのおかげで決められたというゴールかなと思います。シュートはああいうイメージではなかったけれど、トラップして、思ったよりも相手のスライドが早かったので、もうあのテンポで打つしかなかったから、体勢は崩れましたけれど、強引に打ったという感じです」

 今シーズンの5点目。ここまで途中出場が多い中、先発出場のチャンスが回ってくれば得点を重ねている。チームには、現在14ゴールを挙げて得点ランク2位につけるエヴェラウドら、強力なFWのライバルもいるが、「スタメンで出るほうが自分としても点を取れる自信がある。チャンスをどんどんつかんでいきたい」と言葉に力を込める。

 次なる相手は首位を独走する川崎F。「前回(横浜FM戦)は勝利を収められましたが、次はあのように行くとは限らない」と、上田は表情を引き締める。現時点では川崎Fに鹿島戦での優勝決定の可能性もあるが、「相手がどこであろうと、毎試合勝っていくことが必要」と、いつものように必勝態勢で臨む覚悟だ。

「僕たちはまず、1試合1試合に勝っていくこと、やってきたことを試合で100パーセント出さなければいけない。そういうパフォーマンスをするための準備を、チーム全体、または個人でやっていくことが必要だと僕は思っています」

 闘志を燃やす背番号「36」のストライカーは、ホームのカシマスタジアムで首位チームを沈めるためのゴールを狙っていく。