川崎フロンターレのFW宮代大聖が6日、オンラインで取材に応じた。3日の北海道コンサドーレ札幌戦では途中出場で20分間プレー。チームに勝利をもたらせなかったことを悔やみつつ、中村憲剛と過ごす残り2カ月を濃密なものにしたいと前を向いた。

上写真=川崎Fのアカデミー育ちの宮代大聖は小学生の頃から中村憲剛とプレーしたいと思っていたという(写真◎J.LEAGUE)

学ぶことだらけ。できる限り盗みたい

 アカデミー育ちの宮代にとって、中村憲剛はやはり特別な存在だ。

「僕が小学生のときから活躍している選手ですし、小学校の頃から一緒にプレーしたいと思ってやってきました。それが今、叶っている実感というのは…現実になったときにやっぱりありました。憧れだったのが、いざ一緒にプレーすると、学ぶものだらけで。ただ、憧れから、今は競争相手でもありますし。何て言えばいいのかな。ずっと憧れではありましたけど…」

 フロンターレの下部組織(U-12)に所属していた小学生の頃から憧れだった存在は今、チームメイトになった。だから、リスペクトの念は持ちつつも、憧れているだけではいけないとの思いがあるのだろう。

「本当に誰もが言うと思うんですけど、止めて蹴るのところだったり、『そこ、見えているんだ!?』というパスだったり。今までピッチの外から見ていましたけど、ピッチ中で感じる部分で、改めてすごいと思っています」

 一緒に戦う立場になって、初めて感じたことも多かったという。小学生の宮代には分からなかった凄みも、プロの門をくぐった今なら分かる。そして一緒にプレーできる残り2カ月がいかに貴重な時間であるかも、よく理解している。

「日々、学ぶものがいっぱいありますし、自分から(アドバイスを)聞くこともありますけど、憲剛さんから言ってきてくれることもあります。その一つ一つの言葉が自分にとって大きなものだと感じています。もっともっと一緒にやって、もっともっと学びたいと思いますけど、あと2カ月しかないので、そこでできる限り盗めるようにしてきたいと思います」

 先日の札幌戦(3日)では2点のビハインドを背負った状態で70分にピッチに入った。スコアを動かすことができず、決定機をフイにもした。結局チームはそのまま敗れることになり、「流れを変えようとは思っていました。それが結果につながらなかったのは反省点です」と、宮代は振り返った。

 今季、ここまで16試合に出場。うち先発は2試合に留まる。そしてリーグ戦で記録したゴールは、1つ。9月9日の神戸戦以来、ネットを揺らすことはできていない(ルヴァンカップでは準々決勝の神戸戦で1得点)。

「残り2カ月は大事な時間です。自分自身も点を取ってから、なかなか得点できていないので、残り2カ月で点を取って、試合に絡めるようにしていかないといけないし、結果を出さないといけない。チーム内競争が激しいですし、一人ひとりが高い意識を持ってやっている。それが今のチームの強さの秘訣でもあると思うので、チーム内で切磋琢磨して成長していきたいと思います」

 チームのタイトル獲得にしっかりと貢献し、最高の形で中村憲剛を送り出すーー。残り2カ月。宮代は、そんなミッションを己に課している。