上写真＝エースの一撃で同点に。ディエゴ・オリヴェイラは後半によりゴールへの意欲をむき出しにした（写真◎Getty Images）
■2020年10月31日 J1リーグ第25節（@等々力:観衆11,061人）
川崎F 2-1 FC東京
得点者：（川）家長昭博、中村憲剛
（東）ディエゴ・オリヴェイラ
「開いていたので打ちました」
追撃のゴールだった。
左サイドの中村帆高から安部柊斗へ横パスが入ると、ディエゴ・オリヴェイラが前へと走り出した。安部は一つトラップして相手の目線を自分に向けさせておいてからスルーバス、ディエゴ・オリヴェイラは足元に収めると、一度後ろに戻るフェイントでマークについてきたジェジエウのバランスを崩して縦に抜け出し、左足を振り抜いた。ボールはニアポストとGKチョン・ソンリョンの間の狭いスペースを抜けてゴールに飛び込んだ。57分、川崎フロンターレ1-1FC東京。
「速攻からでしたが、帆高からのパスが（安部に）入った瞬間に出て行きました。ジェジエウをかわして入れられて良かったです」
「角度がなかったのでクロスを選択しようと思ったのですが、開いていたので打ちました」
前半は川崎フロンターレの攻撃に防戦一方。パス回しで散々走らされ、奪ったと思った次の瞬間にまた奪い返されては攻め込まれ、の連続だった。長谷川健太監督は後半開始から大胆な策に出て、3-4-3の並びに変更することでディエゴ・オリヴェイラをゴールに近いところでプレーさせた。それが功を奏した形だ。
「前半は難しくなると思っていました。守り中心になって、その守備もはまりませんでした。後半、システムを変えてその中で決められて勢いが出て、逆転するチャンスもありましたが、できませんでした。最後に決められてしまって、やはり90分の集中が必要だなと」
この敗戦でリーグ戦の優勝の可能性が消えたが、1週間後には大事な試合が待っている。11月7日はJリーグYBCルヴァンカップ決勝だ。
「リーグ戦では連敗が続いていて残念ですが、次はカップ戦の決勝です。私たちは決勝にふさわしいチームだと思っていますので、相手も非常に強いので難しくなりますが、タイトルを取れるように頑張っていきたい」
ディエゴ・オリヴェイラは青赤のエースだ。この日見せた力強いシュートが、その決勝の舞台でも見られるに違いない。
取材◎平澤大輔 写真◎Getty Images