10月31日、明治安田生命J1リーグ第25節が開催された。三協フロンテア柏スタジアムでは柏レイソルと清水エスパルスが対戦。アディショナルタイムまで攻め合ったが、試合はスコアレスドローで決着。ただ、両指揮官は内容に関して手応えも口にした。

上写真=柏のクリスティアーノと清水のヴァウドが激しく競り合う(写真◎J.LEAGUE)

■2020年10月31日 J1リーグ第25節(観衆2,720人/@三協F柏)
柏 0-0 清水

・柏メンバー◎GKキム・スンギュ、DF川口尚紀(80分:北爪健吾)、大南拓磨、山下達也(46分:染谷悠太)、古賀太陽、MF大谷秀和(46分:小林祐介)、三原雅俊、クリスティアーノ、仲間隼斗(60分:仲間隼斗)、FW江坂任(46分:神谷優太)、呉屋大翔

・清水メンバー◎GK梅田透吾、DFエウシーニョ、ヴァウド、ファン・ソッコ、金井貢史、MFヘナト・アウグスト(88分:竹内涼)、中村慶太、後藤優介(71分:鈴木唯人)、FW金子翔太(71分:ティーラシン・デーンダー)、カルリーニョス・ジュニオ、西澤健太

前半は清水、後半は柏が主導権を握る

 中2日で臨んだ柏とは対照的に約2週間、試合の間隔が空いていた清水はチームをしっかり『メンテナンス』していた。クラモフスキー監督は「守備面と攻撃面の立ち位置について確認した」と話したが、故障者が相次いだことや守備の安定を図って採用していた3バックから、就任以来ベースとしてきた4バックに回帰。シーズン当初から採用していたシステムに戻り、選手も迷いなくプレーした。前半のシュート数は柏の5本を上回る7本。ポゼッションでも54パーセントと、まさった。加えて、リーグ中断明け直後のように積極的なプッシュアップでハイラインを敷き、易々と裏を突かれることもない。時に応じたライン設定でリスクを回避した。悔やまれるのは、優位に進めたこの前半45分のうちにゴールを手にできなかったことだ。

 見違えた清水の戦いぶりに後手を踏むことが多かった柏も、後半開始から3人を交代し、中盤の構成を変更して主導権を奪いにかかる。その狙いについて「当初のゲームプランの実行」と「ポゼッションの向上」にあったとネルシーニョ監督は説明したが、中盤が整備されたことでビルドアップが安定。守備の局面でも、トップに呉屋を残して、右からクリスティアーノ、神谷、小林、仲間(瀬川)が並んで最初の防波堤を築き、三原がバイタルエリアのスペースを消す役を担って、相手の攻撃を阻んだ。

 攻守両面で前半よりも力強さを増した柏はリズムをつかみ、素早いパスワークからチャンスを生み出していく。とくに82分に神谷がクリスティアーノとのワンツーから放ったポスト直撃のシュート、89分にゴール正面で呉屋がフリーで打ったヘディングシュートのシーンは絶好機だった。ただし、柏も優位な展開の中でネットを揺らすことができなかった。結果的にはオルンガの不在の在を感じさせることにもなった。

 柏はさらなる上位を目指すため、清水はボトムゾーンから浮上するために勝ち点3がほしかった試合だった。しかしながら、互いに手にしたのは1ポイント。それでもネルシーニョ監督は「今日の一番の成果はこれまでコンスタントに出場機会のなかった選手たちが途中から入って、求めたことをやってくれたこと」とプラス面を強調した。前節に7月11日以来の出場を果たして18分プレーした染谷が後半あたまから働き、今季5試合目の出場となる小林がこれまで一番長い46分間プレーし、そして8月19日以降ケガのために欠場を続けていた瀬川が復帰して攻撃に厚みを加えた点を称賛した。シーズン終盤に向けて選手層の拡充を確認できたからだろう。

 対する清水のクラモフスキー監督も「望んだ通りに前半はプレーできていたし、チャンスも作れた。トレーニングした攻撃パターンやどういう形で動くかというところは、できていたと思います。守備でも無失点で終われことが良かった。柏という良い相手に、自分たちのサッカーを仕掛けてチャンスを作れたので、違った夜であれば何点か入っていたかもしれない」と手応えを口にした。これで7戦未勝利となったものの、目指すスタイルを確認して試合に臨み、好機の創出と無失点を実現したことは大きい。

 両指揮官は、ともにポジティブ。『未来につながるスコアレスドロー』と評価した。

現地取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE