明治安田生命J1リーグで14位の北海道コンサドーレ札幌は次節、13位の横浜FCと対戦する。順位は一つ下だが勝ち点は同じ。前節で鹿島アントラーズに勝った自信をつなげたい。ペトロヴィッチ監督のJ1での200勝目もかかっている。

上写真=情熱的に選手にメッセージを送るペトロヴィッチ監督。200勝なるか(写真◎Getty Images)

「残り10試合は来シーズンを見据えた戦いを」

 目指せ連勝! 北海道コンサドーレ札幌は10月18日のJ1第23節鹿島アントラーズ戦で1-0の勝利をもぎ取った。41分に駒井善成が決めた虎の子の1点を守りきった90分。これで7月8日の第3節での2-0の勝利と合わせて、鹿島に対してシーズンで「ダブル」を達成した。

「この前の鹿島戦の勝利は、チームにとって、クラブにとって、応援してくれるサポーターにとってうれしい勝利でした。今年はいい戦いをしながらも勝利できない試合があったり、調子の波の激しいシーズンの中で強い鹿島にいい内容で勝てたのがうれしい出来事でした。そうした結果を踏まえてポジティブな雰囲気になっていて、そこから1週間の時間がある中で落ち着いた雰囲気で次へ準備できました」

 その「次」は横浜FCとのホームゲーム。勝てば今季2度目の連勝となり、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督にとってはJ1で200勝という大記録になる。

「順位の近い横浜FCとの対戦は、多くの人が思うほど簡単な試合にはならないと私自身は思っています。今シーズンはなかなか連勝もできていない中で、この前の勝利で得たポジティブな雰囲気を継続するためにも連勝が必要になると思います。それに対する選手たちの強気を感じています。簡単なゲームにはなりませんが、全力で戦って勝利を手にしたいと思います」

 勝利のポイントは、ずばり「ノーパニック」。

「相手も前からプレスに来ると思います。その中でビルドアップで相手のペースを外すこと、質の高いボールを前線に供給できるかが重要なポイントになります。相手も前から激しくプレスに来る中で、パニックにならずに落ち着いて連動してプレスを外せるかが重要になってきます」

 その横浜FC戦を含めて、今季のリーグ戦も残りわずか10試合となった。

「今年のレギュレーションを十分に考慮した上で、今季は未来に向けた戦いをしてきました。だからこそ残り10試合は来シーズンを見据えた戦いをしなければいけません」

 つまり、ここからの貴重な900分は近未来への投資になる。すでに今季は若手有望選手が数多く出場している。ペトロヴィッチ監督が今回言及したのは、田中駿汰、高嶺朋樹、金子拓郎、小柏剛、中野小次郎だ。

「駿汰、朋樹、拓郎、剛、小次郎と若い選手が今シーズンはたくさん出場してくれました。(来季加入が決まっている特別指定選手の)剛と小次郎は大学の都合で戻りましたが、公式戦の中でどういうプレーをするかを見ることができたのは、私にもチームにもプラスになりましたし、彼らにもいい経験になりました。才能ある選手だと評価しています」

「そして、駿汰、朋樹、そして拓郎に関しては、本当に多く出場してくれて、試合を通して成長したと評価しています。駿汰、朋樹は戦術を理解しながら自分のプレーを発揮してくれました。拓郎に関しては、ポジショニングや動き出しのタイミング、動き出しの方向、動き直しといったオフ・ザ・ボールの動きについて、試合に出て反省を生かして次の試合につなげることを繰り返している中で成長してくれました」

「若い選手が多く出たことはチーム、クラブにとって財産で、そうしたことに費やすことができたのは有意義だと思っています。先を見据えた取り組みは来シーズン、さらにその先に生きてくると思っています」

 とはいえ、勝負の世界。横浜FC戦には全力で勝ちにいく。それがミシャ流。評価を高めた若い選手たちが大活躍して、ペトロヴィッチ監督にぜひJ1での200勝目をプレゼントしてあげてほしい。