2試合連続フル出場で、6戦ぶりのホーム白星に大きく貢献した浦和レッズの長澤和輝。ボランチからリスクを恐れずに大胆に飛び出して、先制ゴールをマークした。

上写真=今季初ゴールを挙げた長澤。チームを勢いづけた(写真◎J.LEAGUE)

■2020年10月18日 J1リーグ第23節(@埼玉:観衆9,831人)
浦和 6-0 仙台
得点:(浦)長澤、マルティノス、興梠2、レオナルド2

「連係でのゴールでした」

 終了の笛が鳴るまでよく走り、よく働いた。運動量が求められるボランチで2試合連続フル出場。タフな長澤和輝は、中3日のスケジュールでのゲームでも疲労を微塵も感じさせなかった。

 見せ場はいきなりやってくる。開始8分、敵陣で味方がボールを奪うと、リズムよくボールがぽんぽんとつながった。武藤雄樹、興梠慎三、汰木康也を経由し、ペナルティーエリア内に走り込んだところにラストパスがきた。最後はインサイドキックでゴールに流し込むだけだった。

「汰木選手からいい落としがきました。連係でのゴールでした。あれだけいいお膳立てをしてもらいましたから」

 チャンスと見るや、ボランチの位置からでも大胆に飛び出していくランニングは目を見張った。リスクもあったはず。それでも思い切って勝負できたのは、周囲の助けがあるからだという。

「チームの誰がミスしても仲間同士でカバーしていこうと話しています」

 チャレンジ・アンド・カバーが徹底されているのだ。今季は個人のミスで失点を喫し、敗れた試合もあった。ただ、そこでぎくしゃくするのではなく、一つの失敗を糧にチーム内の結束力を高めた。いまは誰もがミスを恐れずに豪胆にプレーしている。大槻毅監督からも「どちらか一人のボランチは、どんどんエリア内に入っていこう」と、試合前に指示が出ていたという。

 まさに狙いどおりの形だった。4人が絡んだゴールには、エースの興梠慎三も満足そうな笑みを浮かべていた。

「今季で一番いい崩しだったし、いい得点だったと思う。気持ち良かったね」

 日々のトレーニングからコツコツと積み上げてきた攻撃の形が凝縮されたようなゴールだったのだろう。苦難続きだった浦和に、ようやく光明が見えてきた。

取材◎杉園昌之