上写真＝高々と飛び上がってクリア。谷口彰悟は本職の守備での安定に加え、1点目もアシストする活躍（写真◎J.LEAGUE）
■2020年10月18日 J1リーグ第23節（@等々力:観衆10,161人）
川崎F 3-0 名古屋
得点：（川）三笘薫、ジェジエウ2
「ダブル」は達成させてはいけない
キャプテン、ついに11連勝で新記録達成ですね。おめでとうございます！
「11連勝という記録を作ることができて素直にうれしい気持ちです。記録を目指そうとしてやっているわけではないですけど、1試合1試合の積み重ねでこういう状況を作り出すことができました。この試合で勝てて更新できたのはすごく誇りに思います。チームにとってはうれしい出来事ですけど、まだ試合は続きますし、喜ぶのは問題はないけれど、次に向けて準備していく流れは変わらずにやっていきたいと思います」
さすが、チームを引っ張っていくだけの覚悟に満ちている。鬼木達監督は選手たちに少し緊張があったかもしれないと話していたのだが、実際は？
「いや、そんなことなかったし、プレッシャーはかかっていないですよ。そんなことは感じませんでした。正直、10連勝したあとに負けてまた引き分けを挟んで10連勝というのは自分たちの力で作り出したことで、そこに対してプレッシャーはかからないと思いますし、緊張感のあるゲームは楽しむべきで、過去の自分たちを超えるという意味でも、きちんと名古屋に対してどう戦うかに集中して臨みました。しっかり勝って達成できてよかったです」
開幕戦で引き分けたあとに第2節から10連勝で新記録を達成。それを伸ばそうとした矢先の第12節名古屋戦で0-1で敗れた。その次のヴィッセル神戸戦で引き分け、続く清水エスパルス戦からまた10連勝して、新記録をかけた一戦で迎えたのが名古屋戦。何というめぐり合わせ。選手が燃えないわけはない。
「まずは前回アウェーで負けてますので、『ダブル』は達成させてはいけないですから、そこに掛ける思いは強かったです。勝ちたい気持ちが強かったし、連戦の最後の試合で疲れはあるだろうけど、歯を食いしばってやるしかないとみんなで気持ちを合わせてやってきました。それで勝てたので自信になりますね」
「あとは、シンプルに勝ちたい気持ちが強かったと思います。記録を達成したいし名古屋に勝ちたい。失点の少ない相手から点をたくさん取りたい。だから受け身にならずアグレッシブにできたと思います」
3得点はすべてセットプレーからだった。鬼木監督は「試合巧者になったのではないか」と喜んだが、その1点目は谷口がアシスト。右からの田中碧のCKに飛び込んでニアでフリック、これを三笘薫が無人のゴールに押し込んだ。
「最近、取れていなかったのでしっかり取れてよかったです。ギリギリの試合でセットプレーが大事なのは感じているし、僕たちが逃してはいけないポイントでした。結果に結びついてうれしいですし、セットプレーで取ってくるんだという印象を他のチームにも与えられたと思います。これも武器にしながら向上したいと思います」
これでリーグ戦は残り10試合。暫定2位のセレッソ大阪との勝ち点差は17にまで開いた。ここからは当然、いつ優勝するかに注目は集まるだろう。
しかし、このチームには勝ち続けたいという尽きることのない欲望がある。「21連勝」まで気を緩めることはないだろう。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE