浦和レッズのFW興梠慎三が18日のベガルタ仙台戦で2ゴールをマークし、J1通算154点とした。Jリーグ歴代4位タイとなり、前田遼一(FC岐阜)の得点記録と並んだ。

上写真=仙台戦で2ゴールを挙げたFW興梠(写真◎J.LEAGUE)

■2020年10月18日 J1リーグ第23節(@埼玉:観衆9,831人)
浦和 6-0 仙台
得点:(浦)長澤、マルティノス、興梠2、レオナルド2

「大前提はチームのために点を取る」

 Jリーグのレジェンドたちを次から次に追い越していく。浦和の興梠慎三が仙台戦で2ゴールをマークし、J1歴代通算4位の前田遼一(FC岐阜)に並ぶ、154点に到達。前節の柏レイソル戦でかつての盟友であるマルキーニョス(元鹿島ほか)に並んで歴代5位タイとしたが、すぐさま得点記録を更新した。それでも、本人は個人の数字に対してはそっけなかった。

「記録に残るのはうれしいけど、まずは大前提としてチームの勝利のために点を取ることが大事。結果として記録はついてくるもの。自分へのご褒美みたいなもの。あまり深く考えることはない。ここ最近、ホームで勝つことができなかったので、きょうこそは勝ちたいと思っていた。その強い気持ちが6点の大勝につながったと思う」

 通算153点目はPK。得意の形で裏へ抜け出し、ペナルティーエリア内で相手GKのファウルを誘発した。ボールをセットしてからゴールネットを揺らすまでも落ち着いていた。少し間を取り、短い助走であっさりと決めた。

「相手ゴールキーパーとの駆け引きにうまく勝てた。今季初めてのPKだったので少し緊張したけど、冷静に蹴ることができた」

 通算154点目は鮮やかなヘディングシュート。斜めにランニングしてマークを外すと、汰木康也のクロスにどんぴしゃりと頭で合わせ、GKのニアサイドを抜いた。

「いいボールがきたので流し込むだけでした。前節のレイソル戦はいいボールをもらっていたのに決められなかったから。きょうは決めて勝つことができてよかった」

 お得意様の仙台からは、2013年の浦和加入後、リーグ戦16試合で18点目。鹿島アントラーズ在籍の12年から含めると、仙台戦では9年連続得点。摩訶不思議な記録だけではない。自身の持つ連続2ケタ得点記録更新までもあと3点。こちらも達成すれば、9シーズン連続となるのだ。J1歴代3位の中山雅史(アスルクラロ沼津)の157点とともに、すぐそこに大記録が見えている。

取材◎杉園昌之