10月18日、ニッパツ三ツ沢球技場で明治安田生命J1リーグ第23節が開催され、横浜FCとFC東京が対戦した。横浜FCは前半で2人が負傷交代となったが、終了間際に途中出場のFW草野侑己がJ1初ゴールを奪い、リーグ戦で初めてFC東京に勝利した。

上写真=試合終了のホイッスルが吹かれるとJ1初ゴールを決めた草野を中心に喜びの輪ができた(写真◎J.LEAGUE)

■2020年10月18日 J1リーグ第23節(@ニッパツ:観衆5,163人)
横浜FC 1-0 FC東京
得点:(横)草野侑己

・横浜FCメンバー◎GK六反勇治、DFマギーニョ、伊野波雅彦、小林友希、志知孝明(74分:袴田裕太郎)、MF松浦拓弥(24分:瀬古樹)、安永玲央、手塚康平、斉藤光毅(74分:草野侑己)、FW瀬沼優司、一美和成(41分:皆川佑介)

・FC東京メンバー◎GK林彰洋、DF中村帆高(83分:中村拓海)、森重真人、ジョアン・オマリ(46分:渡辺剛)、小川諒也、MFアルトゥール・シルバ、髙萩洋次郎(46分:三田啓貴)、安部柊斗、永井謙佑(70分:アダイウトン)、ディエゴ・オリヴェイラ、田川亨介(70分:原大智)

「チーム全体が救われたような1勝」(下平監督)

 前節のベガルタ仙台戦で負傷した松尾佑介を欠く横浜FCは、この試合でもアクシデントに見舞われた。前半24分に右サイドハーフの松浦が左脇腹を痛めて交代、38分には一美も相手DFとの競り合いで頭部から出血し、プレー続行不可能に。前半だけで2枚の交代カードを切ることとなった。

 後半に入るとプレスを強めるFC東京に押し込まれ、我慢の時間帯が続いた。それでも体を張った守備でゴールを守り、スコアレスのまま迎えた74分、下平隆宏監督は草野と袴田を左サイドに投入。この采配が吉と出た。

 88分、自陣でボールを受けた瀬古が左サイドへ大きく展開。ボールはFC東京の渡辺にカットされるも瀬沼が素早い寄せで奪い返し、スペースに走り込んだ草野へスルーパス。草野は鋭い切り返しで相手DFをかわし、最後は右足でゴール左スミに流し込んだ。

 プロ2年目の草野にとって、これがうれしいJ1初ゴール。8月8日の第9節・ガンバ大阪戦以来、約2カ月ぶりに出場した試合で大きな仕事をやってのけた。「点を取ることしか考えていなかった」と草野。下平監督は「チームを救う1点だった。彼の活躍には感謝したいし、おめでとうと言いたい」と労った。

 チーム最多7得点を挙げていた松尾の離脱など、さまざまな逆境を乗り越えての勝利に下平監督の喜びもひとしお。「苦しいゲームだったけど、選手たちがぶっ倒れるまで走ってくれた」とチームを称え、「きょうは三ツ沢の雰囲気と、選手たちが頑張って勝ち点を取れた。いままで悔しい負け方が多かったので、チーム全体が救われたような1勝でした」とFC東京戦での初勝利を喜んだ。

 なお今節から入場規制が緩和され、会場にはFC東京のサポーターも来場。敗れた長谷川健太監督は「サポーターがゴール裏に陣取ってくれた後半だったので、何とかサポーターに向けてゴール、勝利を、という思いで選手はよくやってくれた」と話した。

写真◎J.LEAGUE