明治安田生命J1リーグ第23節でセレッソ大阪が横浜F・マリノスを迎えた一戦。ともに中2日のゲームで、雨が降り気温は14.7度と冷え込む中での戦いは、C大阪が効率的にゴールを重ねて、終わってみれば4-1の圧勝となった。

上写真=豊川雄太(左端)のゴールに集まって喜ぶ。C大阪は計4ゴールの圧勝だった(写真◎J.LEAGUE)

■2020年10月17日 J1リーグ第23節(@ヤンマー:観衆6,870人)
C大阪 4-1 横浜FM
得点:(C)奥埜博亮2、豊川雄太2
   (横)水沼宏太

「疲れが見えた」とポステコグルー監督

 一つのゴールを境に、流れは変わった。

 最初の10分はほとんどハーフコートゲーム。横浜F・マリノスが押し込んで、セレッソ大阪の陣内でプレーし続けた。だが、10分に先制したのはC大阪の方だった。

 坂元達裕がペナルティーエリア外の右で縦に出ようとするところで必殺の切り返し。左足でクロスを送ると、手前のブルーノ・メンデスの頭を越えたボールに、DFの間に潜り込んでいた奥埜博亮がヘッドで流し込んで先手を取った。この後も坂元のドリブルと清武弘嗣のボールキープを軸にして、C大阪が優勢に進めていった。

 横浜FMは中盤のエリアから前線に届けるパスが少しずつずれて相手に回収され、また追いかけて奪いにいくという悪循環。それでも39分にマルコス・ジュニオールが強烈なシュートでGKを襲ってこぼれたボールがゴールに入りそうだったが、惜しくも左ポストに弾かれた。44分には中盤で相手から奪ったエリキがドリブルで持ち込むカウンター、ジュニオール・サントスに預けてからゴール前に入ったが、リターンパスを受けた場所がオフサイドだった。

 後半に入ると、当然横浜FMが攻撃にパワーをかけてきて、またもやC大阪陣内でのプレー時間が長くなる。ところが、まるで前半のコピーのようにスコアしたのはC大阪の方。67分に右サイドから片山瑛一がクロス、清武弘嗣がヘッドで落としたところを豊川雄太は触れなかったが、拾った奥埜博亮がゴール左の角度のないところから左足でニアを撃ち抜いた。

 こうなると横浜FMはさらにゴールを求め、直後にエジガル・ジュニオ、天野純、水沼宏太を一気に投入した。しかし、前がかりになるほど生まれる裏のスペースをC大阪が効率よく利用。71分には片山のロングフィードで抜け出した豊川がワントラップからのロングループシュートで3点目を奪うと、80分にも豊川が奥埜の左からのパスを受けて相手を振り切り、右足でていねいに流し込む4点目。

 横浜FMはアディショナルタイムにようやく水沼宏太が、ティーラトンの左からのクロスをファーでヘッドで押し込んで移籍後初ゴールを古巣から奪ったものの、ここまでだった。

 奥埜と豊川の2人の2得点でC大阪が完勝。ロティーナ監督は「1点目を取れて自信を持ってプレーできた。後半は相手が攻めてきて守備の仕事が多くなったが、スペースを利用してゴールできた」と、攻め込まれながらも要所で決めきる効率的な圧勝を振り返った。敗れた横浜FMのアンジェ・ポステコグルー監督は「疲れが見えた。スケジュールがタイトな中で選手は最後まで戦う姿勢を見せてくれた」と言葉少なだった。

写真◎J.LEAGUE