明治安田生命J1リーグでFC東京は10月18日の横浜FC戦を終えると、ようやく中5日のブランクができる。過密日程で多くの選手がプレーする中、ジョアン・オマリの闘争力も寄与している。ガンバ大阪戦で歯が抜けてしまったのだが…。

上写真=アグレッシブな守備で貢献するジョアン・オマリ。歯が抜けたのは痛々しかった(写真◎FC東京)

サポーターも含めて力を合わせないと勝てません

「Looks bad !」

 ジョアン・オマリは自分の顔を指差して、そう笑った。前歯が2本、ない。

 J1第21節のガンバ大阪戦、間もなく前半が終わるという45分に右からの三田啓貴のCKに合わせようとしたところで、G大阪のパトリックの腕が顔に入ったようで、歯が折れた。

「1本は試合中に抜けて落ちて、もう1本は内側に残ってぐにゃぐにゃになってしまったんです。だからそちらも、歯医者に行って抜きましたよ」

 なんとも痛々しいが、「いままでたくさんケガしていて、歯だけではなくて顔が傷だらけなんですよ。見た目は悪くなりましたけど、恐れずにしっかり戦いたいです」と笑わせながらも、ファイティングポーズは取り続けるのだ。

 そのG大阪戦も、次の清水エスパルス戦もフル出場というタフネスぶり。

「ケガはしましたけど、勝つことに集中していて、ガンバには勝てなかったけれど清水には勝つことができました。最近、プレーの機会が増えてコンディションも連係も上がってきたと感じているので、さらに良くなると思っています。これからも出続けられるように頑張りたい。チームの勝利に貢献できて助けになれていることをうれしく思います」

 センターバックとして今季は9試合に出場していて、森重真人や渡辺剛らとゴール前の壁になる。

「森重も渡辺も経験のある選手で、日本を代表するセンターバックです。森重の経験からくる落ち着きは見習う部分がありますし、渡辺には若さがあります。最近は森重と組むことが多くなっていますが、一緒にプレーすることで自分も良くなってきています。これからは渡辺とも同じようにできると思いますし、彼らとポジションを争えるように切磋琢磨したいと思います」

 その争いの中で、何を武器に勝負していくのか、と聞くと、自分のことは置いておいて、チーム一丸の心を強調した。

「自分のどこが2人よりも優れているか、ということよりも、チームが一つになることが大事なんです。自分一人では勝利を手にすることはできません。メンバー外になった選手やスタッフ、サポーターも含めて力を合わせないと勝てません。チームワークが大事です。今年はとてもハードなスケジュールだし、これからACL(アジア・チャンピオンズリーグ)もあります。誰が出ても力強く戦って、ほかの選手が出られないときには自分も入って、FC東京としての強さを見せつけなければならないんです」

 そのために、いつ声がかかっても最高の状態で戦える準備はしている。

 ちなみに、前歯の治療については「1週間ぐらいで仮歯を入れることになっていて、落ち着いて時間ができたらインプラント治療をするつもりです。でも、前歯がなくてもプレーに支障はありませんよ」と話して、欠けた歯を見せるようにニカッと笑うのだった。