10月12日、鹿島アントラーズのザーゴ監督が練習後のオンライン取材に応じた。前節の横浜FC戦では2点差を逆転して連敗ストップ。再び連勝を目指す中、次節からアウェー3連戦が待ち受ける。指揮官はチーム状態の良さを強調し、選手層の厚さに自信をのぞかせる。

上写真=10月12日のトレーニング中のザーゴ監督(写真◎KASHIMA ANTLERS)

長距離移動の3連戦「ブラジルで移動するような感覚」

 西へ、北へ、再び西へ。

 前節の横浜FC戦で劇的な逆転勝利を収め、ここから再び連勝を目指す鹿島だが、過酷なアウェーでの3連戦が待ち受ける。10月10日の横浜FC戦から中3日で鳥栖戦(14日・第22節)、それからまた中3日で札幌戦(18日・第23節)、そして中2日で神戸戦(21日・第33節前倒し開催)だ。

「ブラジルで移動するような感覚」と、広大な面積を有する母国での移動を引き合いに出すのはザーゴ監督だ。長距離移動を強いられる3連戦について、「最初は九州に行って、そのあと北海道に行って、また関西に行くということで、本当に移動距離が長い。ただの移動だけならばそんなに負担はないだろうと思われるかもしれないけれど、選手は試合をやりながらその移動を行なう」と口を開いた。

 その上で、「明日の選手たちの状態を見て、いきなり次の試合(鳥栖戦)で(メンバーを)変えるのか、それとも週末の試合(札幌戦)なのか、あるいは(21日の)ヴィッセル戦なのか。(メンバーを)代えていかなければいけないのは事実。そういう状況になっているので、(メンバーの)変更はある」と、3連戦での選手起用について語った。「全員が今、良い練習をして、チームに参加して貢献をしている。誰が出ても問題はないと考えている」と、選手層の厚さに自信をのぞかせる。

 前節の横浜FC戦でも交代出場の選手が活躍。決勝点をアシストした荒木遼太郎をはじめ、上田綺世、永木亮太、松村優太の活躍ぶりも、逆転勝利を呼び込んだ。その中でも指揮官は、今季はなかなか出番のない白崎凌兵の貢献度にも言及する。

「あのとき(0-2の状況での選手交代時)は白崎(凌兵)選手とファン(・アラーノ)選手をトップ下やインサイドハーフみたいに中に入れて、彼らの創造性だったり、機動力、俊敏性を生かして、いかにして相手のゴールに近づいて行ってプレーするかということを意識してもらいました。それが良い形で、試合で機能していました」

 白崎だけではない。中盤では遠藤康や名古新太郎、サイドバックでは山本脩斗や杉岡大暉、センターバックでは町田浩樹らも出番を待っている。9月には先発にも名を連ねた面々だ。アウェー3連戦、その先のシーズン終盤戦は、チーム力が問われる戦いとなる。

「(鳥栖戦では)インテンシティー、強度、ハイテンポな試合運びに関しては、我々も同等、あるいはそれ以上のものを示さなければいけない。そこから自分たちの流れにしていかなければいけません。特にアウェーの試合は、我々はそういったアグレッシブさという部分は非常に良くできている。明後日の試合でもそういったところをしっかりと示すことができればと思っています」

 前節の逆転勝利の勢いを残りのリーグ戦12試合でも持続させていくため、まずは次のアウェー鳥栖戦に照準を合わせる。