サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」で、メディア横断企画「DAZN Jリーグ推進委員会 月間表彰」を実施することになった。当サイトでは、明治安田生命Jリーグにおいて、最も優れたゴールを表彰する「月間ベストゴール」受賞者へのインタビューを掲載する。9月の受賞者、ベガルタ仙台戦で劇的な逆転ゴールを決めたセレッソ大阪のMF清武弘嗣。あのゴールの裏側を語りつくす。

上写真=9月のベストゴールを受賞したセレッソ大阪のMF清武弘嗣(写真◎J.LEAGUE)

【動画】これが9月のベストゴール! 清武が決めた仙台戦の逆転弾!

2020年9月 明治安田生命J1リーグ月間ベストゴール
清武弘嗣(セレッソ大阪)

 9月27日、ベガルタ仙台との第19節。2-2で迎えた後半アディショナルタイムの90+1分、左サイドでパスを受けた清武が、左足で切り返してから、鋭く右足を振り抜く。ボールは美しい軌道を描き、仙台GKヤクブ スウォビィクがジャンプしながら懸命に伸ばした右手の先を抜け、ファーサイドのネットを揺らした。

 前半に先制したC大阪は後半に入って逆転されていたが、交代出場した清武の1得点1アシストの活躍で試合をひっくり返し、連敗を2でストップ。今回の受賞記念インタビューでは、劇的な逆転ゴールの直前に見せた駆け引きや、結果に対する強い思いなどを語ってくれたーー。

――左サイドで小池裕太選手からのパスを受けたとき、最初は左足でセンタリングを上げることを考えたように見えました。

清武 その通りで、最初はセンタリングを上げようと思いました。でも時間が終了間際だったし(90+1分)、シュートを打たなければ悔いが残ると思って。あのシーンの前に左足で淡泊にシュートを打って外していたこともあったので、切り返して右足で打とうと、すぐにプレーを変えました。

――ファーサイドでは片山瑛一選手がエリア内に走り込んでいました。

清武
 片山の動きも見えていました。ゴールマウスとゴールキーパーの位置を見てから、わざと片山の方に目線をずらして打ったんです。蹴った瞬間に良い感触だったので、入ったと思いましたね。公式戦で、あの角度とコースから狙って決まったのは、いままでのサッカー人生でも初めてです。イメージ通りの完璧なゴールでした。

――決めた後に喜びを爆発させるのではなく、ホッとした様子だったのが印象的でした。

清武 もちろん、すごくうれしかったですよ。でも連敗中で、3連敗は本当にまずいと思いながらプレーしていたので、決めた後はすぐに、残り時間をどうやって締めようかと思っていました。喜び過ぎると体力を使うので。チームが連敗していて、選手として先発で出たい思いが強い中で控えスタートだったので、喜びも控えめだったという面もあります。

――交代出場したのは68分でした。

清武 チームが前半、すごく良い戦いをして先制点も奪い、いつも自分と交代する(柿谷)曜一朗のコンディションとパフォーマンスが良かったので、自分は最後の10~15分くらいで、試合をクローズするために入ることになるのかなと考えていました。でも後半に追い付かれた後に交代の指示が出て、タッチライン際で待っているときにPKを決められて1-2と逆転されたので、気持ちのスイッチを入れ替えてピッチに入りました。

――82分に右CKから正確なボールを中央に送り、マテイ ヨニッチ選手のヘディングでの同点ゴールをアシストしました。

清武 あのあたりに蹴れば誰かが合わせてくれる、という感覚でボールを落としたら、ヨニッチのヘッドが素晴らしかったです。あのときキックの感触が良かったことも、最後のゴールにつながっていると思います。

――交代出場した後に1得点1アシストで逆転勝利に導き、連敗を2で止める素晴らしい活躍でした。

清武 とても印象深い試合です。負けたら厳しい状況でしたが、逆転で勝ち切って、すごく大きな勝ち点3になりました。