横浜FCはホームで柏レイソルに0-3で敗れた。前節、浦和レッズに敵地で完勝していただけに悔しい結果となったが、敗戦の理由の一つとしていくつものチャンスをモノにできなかった点が挙げられる。先発フル出場を果たしたマギーニョが課題を口にした。

上写真=負傷から復帰し、浦和戦に続き2試合連続で先発したマギーニョ(写真◎Getty Images)

■2020年10月3日 J1リーグ第20節(観衆4,571人/@ニッパツ)
横浜FC 0-3 柏
得点:(柏)オルンガ2、大谷秀和

差は感じなかったが足りない部分があった

 準備したものを出し切れたかと言えばそうではない。0-3の敗戦は悔しさの残る結果だ。しかし、負傷から復帰し、この日の柏戦で2戦連続で先発したマギーニョはポジティブな面も感じていた。

「それほどの差は感じなかったです。ただ、ディテールの所で足りなかった部分も感じました」

 シュート数は柏の13本に対し、横浜FCは12本。CKは12本に対し、10本。直接FKの数は柏と同じ8本。ポゼッションは横浜FCが61%で、パス数も200本以上の差をつけ(柏は約400本、横浜FCは650本以上)、パス成功率でも相手にまさった。走行距離もスプリント数も横浜FCに軍配が上がる。

 ただ、それでも結果は0-3。決定力やゴール前での冷静さ、要所の見極めや体の張り方など、わずかな差が積み重なり、勝負を分けた。

「1週間を通してカウンターのケアを意識して練習してきたにもかかわらず、カウンターで2失点したのは、課題だと思います」

 オルンガという大砲を生かす術が柏にはあり、横浜FCは好機を生み、それを生かす明確なパターンをまだ確立している段階とも映った。好機を何度もチームとして手にしながら、決め切れなかった点に関して、マギーニョは言った。

「決め切れないのは、間違いなくわれわれのチームの年齢が若く、経験が浅いところがあると思います。結果でサポーターを喜ばせたい、恩返しをしたいという気持ちが強い分、ゴール前になってしまうと決めたい気持ちが強くなり、それが先に出てしまってタイミングのズレが生じてしまったり、正しいタイミングでスピードアップできなくなる。そういったところでズレが生じているので、決めきれていないと思います」

 日々トレーニングを積み、J1で試合を重ねることでしか、その問題は解決しないだろう。とはいえシーズンはすでに後半戦に突入している。悠長に構えていることもできない。

「この試合はもうやり直すことはできない。次の試合に意識を切り替えて、良い準備をしていく。今はこれしかチームを向上させてい方法はないと思います」

 今年28歳。来日2年目。プロとしては11年目のシーズンを戦うマギーニョは言った。1つでも多くの勝利を。1点でも多くの勝ち点を。この日、右サイドでアップダウンを繰り返し、攻撃に守備に奔走したサイドバックはチームのために、残り試合も全力で戦うことを誓っている。