名古屋グランパスのMFマテウスが4日の浦和レッズ戦で勝利の立役者となった。独力でサイドを突破し、金崎夢生の決勝ゴールを見事にアシスト。今季、ブラジル人ドリブラーの勢いが止まらない。

上写真=浦和戦で抜群の存在感を示したマテウス(写真◎J.LEAGUE)

■2020年10月4日 J1リーグ第20節(@埼玉:観衆9,357人)
浦和 0-1 名古屋
得点:(名)金崎夢生

「思った通りにボールを運ぶことができた」(マテウス)

 マイティ・マウスよろしく小回りがよく利く。大柄なディフェンダーにチャージされても、くるりと回転してかわしてしまう。キレ味鋭いドリブルできゅんきゅんとサイドを打開。浦和戦でもチャンスのほとんどは、マテウスから始まっていたと言ってもいいくらいだ。

 0-0で迎えた54分に本領発揮。狭いスペースでのドリブルはお手の物である。目の前に相手が立ちふさがっていたが、迷いなく仕掛けて、マルティノスと橋岡大樹をあっさり置き去りにする。

「とりあえず勝負してみようと思って。僕の特徴はドリブルだから。自分の思った通りにボールを運ぶことができた」

 言葉には自信があふれていた。スカウティングどおり左サイドを突破したあとのクロスボールも正確そのもの。ファーサイドに走り込んでいた金崎夢生を確認し、相手GKの頭上を越す柔らかいボールを届けた。

「夢生がいいポジションにいてくれた。ゴールにつながってよかった」

 チーム最多の6アシスト目を記録。今季はマッシモ・フィッカデンティ監督の信頼をがっちりつかみ、いまや欠かせぬ戦力となっている。加入2年目でようやく主軸となった。

 昨季は外国人枠の関係で横浜F・マリノスへ期限付き移籍。決して優先順位は高くなく、厳しい立場に立っていた。しかし、レンタル先でリーグ制覇に貢献し、今季は名古屋で序盤から好調をキープ。完全に風向きは変わった。

 いまやリーグ指折りのドリブラーとして、名をはせる。来日して7年目。これまでは名古屋の大物ブラジル人たちの影に隠れていたが、今季は派手に大暴れするつもりだ。

取材◎杉園昌之