10月3日、明治安田生命J1リーグ第20節が開催された。ニッパツ三沢球技場では横浜FCと柏レイソルが対戦。敵地に乗り込んだ柏がオルンガの2発を含む3ゴールを挙げて快勝。前回、ホームで敗れた借りを返した。

上写真=オルンガ(左)が2ゴールを決めて勝利に貢献した(写真◎J.LEAGUE)

■2020年10月3日 J1リーグ第20節(観衆4,571人/@ニッパツ)
横浜FC 0-3 柏
得点:(柏)オルンガ2、大谷秀和

・横浜FCメンバー◎GK六反勇治、DFマギーニョ、伊野波雅彦、小林友希、袴田裕太郎、MF安永玲央(78分:瀬古樹)、佐藤謙介(85分:皆川佑介)、松浦拓弥(57分:斉藤光毅)、レアンドロ・ドミンゲス(78分:齋藤功佑)、松尾佑介、FW瀬沼優司(57分:一美和成)

・柏メンバー◎GKキム・スンギュ、DF川口尚紀、北爪健吾(88分:山下達也)、大南拓磨、古賀太陽、三丸拡、MF三原雅俊(88分:大谷秀和)、ヒシャルジソン、神谷優太(51分:仲間隼斗)、FWクリスティアーノ(57分:呉屋大翔)、オルンガ

トップ5への扉を開く快勝

 機を逃さなかったオルンガの2ゴールが、勝負を決めた。まずは前半、立ち上がり早々の5分だ。この日、開幕戦以来の出場となったクリスティーノが前線から下がって組み立てに参加。横浜FCの浅い最終ラインの裏に浮き球パスを送ると、オルンガが抜け出し、左足で冷静にネットを揺らした。トラップ、コース取り、落ち着き、キック技術。そのいずれもが完ぺきだった。

 次は、76分。右サイドで川口がボールを持った瞬間、相手最終ラインの間を突くように斜めに走り込むと、そのコース上に頭上を越えて浮き球パスが届く。左足を伸ばして巧みにコントロールし、相手守備陣をかわすと、左足で素早く振って豪快にネットを揺らした。

 ともにオルンガだからこその得点。敵将・下平隆宏監督も「やはり特別な選手。警戒していてもやられてしまった」との脱帽するしかなかった。

 前回対戦では、ホームで1ー3と敗れていた柏にとっては雪辱を誓って臨んだ一戦だった。4-4-2ではなく、3-5-2のフォーメーションを採用。守備の局面では5-3-2で素早くセットしてミドルプレスを仕掛け、一気にカウンターでチャンスをつかんだ。1点を先行して迎えた後半には自陣左サイドでマギーニョと松浦をフリーにしていたこと、ブロックの中でレアンドロ・ドミンゲスに再三、ボールを収められチャンスを作られていたことを鑑みて、守備の修正。守る局面ではクリスティアーノが2列目右にしっかり下がり、5-4-1でセットしてスペースを埋め、レアンドロ・Dの動きはCBの北爪、古賀が監視を強め、ボランチと連動して封じにかかった。

 それでも何度かはチャンスをつかまれたが、集中力を切らさずに守ることでリズムをつかみ、オルンガの2点目は生まれた。アディショナルタイムには交代出場の大谷がダメ押しゴール(90+1分)。3点を入れられて1点取った前回対戦を上回り、3ゴール決めて無失点に抑え、見事、雪辱を果たした。

「われわれがこれから戦いを進めていく上で非常に価値のある1勝になったと思います。
 きょうのゲームも選手たちが戦術的な部分で要求に応えてくれた。このまま継続してチームとして成熟することができればと思います」

 ネルシーニョ監督も納得の快勝。狙い通りに勝ち点3を積み上げて、上位に続く扉を開いた。

現地取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE