10月1日、鹿島アントラーズのザーゴ監督が練習後のオンライン取材に応じた。前節の大分トリニータ戦に敗れ、連勝ストップ。それでも上位争いに生き残るために、次節のガンバ大阪戦から再び勝利を重ねることを狙う。そのために、チーム全員の力が必要だと強調する。

上写真=10月1日のトレーニング中のザーゴ監督(写真◎KASHIMA ANTLERS)

「僕の変わらない考え」

 9月のラストゲームとなった前節大分戦に敗れ、8月から続いていた連勝は「7」で止まった。それだけに、10月3日に控える次節G大阪戦は、仕切り直しとなる一戦だ。

 およそ1カ月間にわたって勝利を重ね、上位に浮上したものの、ザーゴ監督は「勝ち取ったというよりは、序盤戦で失った勝ち点を取り戻したという表現のほうが正しいかな」と言う。今季は開幕4連敗を喫するなど、ここまで7敗。チームとして11年ぶりに7連勝を成し遂げても、手放しで喜べないのだろう。だからこそ、次節G大阪戦からまた連勝を狙っていく。

「10月は(平日開催の試合が少なく)準備期間がしっかりあるので、そこでしっかりと準備をして上位陣に食らいついていくことを目指してやっていかなければいけない。そうでなければもっと上にはたどり着けないので、今後、チームとして残りの14試合で安定したパフォーマンスを示していくことが重要なのではないかと思っています」

 そして、リーグ戦の残り3カ月間の戦いも総力戦になることを、指揮官は強調する。ここまではケガ人や出場停止、疲労の度合いによって選手を入れ替えながら試合のメンバーを編成してきたが、今後も多くの選手を起用していく考えは変わらないようだ。

「全選手にベースとなる同じ役割をやってもらって、その上でそれぞれの特徴だったり、色を出してもらえればと考えています。2、3名の選手を入れ替えながら連勝することができた。やはり、全選手が必要である。それは僕の変わらない考えでもあります」

 ザーゴ監督の選手への信頼は揺らがない。チーム一丸となって、2日後のG大阪戦に照準を合わせる。

「(G大阪は)非常に優秀な選手がそろっているチーム。前にはパトリックという攻撃の起点となり、存在感を放つ選手もいます。ただ、大事になるのは相手よりも自分たち(のパフォーマンス)ではないかと。まず(攻撃の)組み立てのところでボールのスピードを上げ、判断のスピードも上げる。自分たちがパス交換を素早くしていけば、(ゴールを)こじ開けることはできるのではないかと思っています。ガンバの攻撃陣にはスピードのある選手が多いので、裏へ飛び出すタイミング、強度が非常に高く、カウンターが鋭い。それに対するリスクマネージメントを徹底的にやらなければいけません」

 7月の第2節から6カ月間で33試合をこなす今季のJ1リーグ。6位で折り返し地点に立ったザーゴ監督率いる鹿島は、さらなる上位進出に向け、連勝への再スタートを切る。