9月30日に行なわれたJ1第25節でサガン鳥栖は横浜F・マリノスと引き分け、敵地で勝ち点1を獲得した。鳥栖のDF森下龍矢は前節に続くゴールで今季3点目を記録し、右サイドバックながら高い得点力を示している。

上写真=先制点を決めて吠える森下(写真◎J.LEAGUE)

■2020年9月30日 J1リーグ第25節(@ニッパツ:観衆3,431人)
横浜FM 1-1 鳥栖
得点:(横)エリキ
   (鳥)森下龍矢

チームトップの17試合に出場

 75分に足をつって交代するまで走り切った。守備では東京五輪代表FWの前田大然と対峙し、スピード勝負でも引けを取らなかった。「相手のワイドが強力だったので、そこを自由にさせないためにスライドを意識していた」と森下。この日の鳥栖はケガ人の影響により急造4バックで臨んだが「僕と(原)輝綺、(松岡)大起を中心に声を掛けてやっていた」というように、ピッチには大きな声が響き渡っていた。

 横浜FMの左WBで先発した高野遼が前半10分に負傷し、交代で入った大津祐樹とのマッチアップでは森下が終始優位に立った。積極的に高い位置を取って裏を狙い、大津を最終ラインに引きずり込んだ。試合前に相手のプレーを研究していたという森下は「押し込んだときの守備に付け入る隙があると思ったので、そういうところは存分に生かせた」と振り返った。

 後半開始早々の49分にはセットプレーの流れから先制点を奪取。原川力の蹴ったCKは相手DFにクリアされたが、ゴール前に詰めていた森下がこぼれ球にいち早く反応。「五分五分のところに落ちてきて、自分の球際の強さ、反応の速さが生きた。ゴールが目の前だったので、コースを狙わずに思い切り打ったら入った」。トラップからシュートまでの一連の動作はさながらFWのようだった。

 明治大から今季より鳥栖に加入し、ここまでチームトップの17試合に出場。右SBながら3得点を記録しているルーキーは「プロの世界で求められるのは結果を残すことだと思っている。今回もプロサッカー選手たるものを見せられてよかった」と、自身初の2試合連続ゴールに胸を張った。

取材◎多賀祐輔 写真◎J.LEAGUE