明治安田生命J1リーグで消化試合数が少ない名古屋グランパスも後半戦に入り、その最初のゲームは清水エスパルスに3-1と快勝。ただ、最近アウェーで勝てない。マッシモ・フィッカデンティ監督が語ったのは、そのための持論。

上写真=あらゆるシチュエーションで分析する。それが勝利への道だ(写真◎J.LEAGUE)

勝つためにすることは、勝つこと

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 名古屋グランパスの9月の戦績を記号化すると、こうなる。黒星と白星の行儀の良い整列。順に鹿島アントラーズ、横浜F・マリノス、横浜FC、ヴィッセル神戸、ガンバ大阪、清水エスパルスと戦っているのだが、横浜FC戦、ガンバ大阪戦はアウェーでの黒星だ。

「勝つために何をするかといえば、まず何よりも、勝つことでしょうね」

 アウェーで勝つためにはどうすればいいのか、と問われて、マッシモ・フィッカデンティ監督は禅問答のようなジョークで笑わせた。もちろん、「相手を褒める気持ちは持ちますが、何かもったいないなという感覚が残ります。それではいけないわけで、スキを見せない姿を見せて勝ち点をいただいて名古屋に帰らなければいけないのです」と引き締めることの方が本音だ。

「当然のことですが、ホームで勝ててアウェーで勝てていないのが、もう一つ上に行けない理由です。では、このチーム状態をどのように見ていくか」

 フィッカデンティ監督はその視点にブレはなく、「継続することによって90分やりきる強い気持ちを持つことが大事になります」と改めて表明する。

 その例として改めて言及したのが、9月13日の第16節横浜FC戦。この試合は12分に吉田豊の美しすぎるミドルシュートで先制しながら、19分と22分に失点。73分に相手のミスからマテウスが叩き込んだのだが、その5分後に決勝点を決められて2-3で敗れた。

「横浜FC戦の失点の背景には、攻め続けていたことがあります」とフィッカデンティ監督。

「警戒心という点では、攻撃に出れば常に100パーセントをつぎ込むのではなくて、試合時間を考えながら、何割ぐらいで攻めるのか、守るのかを考えなければいけません。その意識が弱すぎたのが原因としてあります」

 同点に追いついたあとで、さらに突き放そうと勢いを持って攻めたところでできたスペースを使われ、裏返された格好だった。

「たらればを言うのは良くないと言われますが、あそこがこうだったら、もしこうであればというたらればは、あらゆるシチュエーション想定して分析する上では必要です。逆に、結果的に苦しまなかったことも、もしこうだったらやられていたのでは、という見方をします」

 感情的に試合を振り返る場合の「たられば」は、前向きな結果をもたらさない。ただ、分析というものはそもそも「たられば」を細かく解析したものの集積なはずだ、という考え方。「正しいたられば」はなくてはならないのだ。

 そう言われれば、「だから、根本的にやりかたを変えるのではなく、選手にも継続でいいのだというメッセージを送っているんです」という言葉も重みが増す。「分析的たられば」の結果としての継続が、後半戦の名古屋を支えていくというわけだ。