9月27日、ShonanBMWスタジアム平塚でJ1第19節が行なわれ、湘南ベルマーレのMF田中聡がJ1初先発を飾った。最終ラインにケガ人が続出する緊急事態を受け、ボランチを本職とする18歳が3バックの一角を務めた。

上写真=川崎F戦でJ1初先発を飾り、87分までプレーした田中(写真◎Getty Images)

■2020年9月27日 J1リーグ第19節(@BMWス:観衆4,189人)
湘南 0-1 川崎F
得点:(川)小林悠

「まだまだ物足りない」

 J1首位の川崎フロンターレ戦が初先発の試合となった。任されたポジションは3バックの左。「前節で大野(和成)くんがケガして、敏さん(浮嶋監督)から『あるかもしれないから準備しておけ』と言われていたので、心の準備はできていた」。本職はボランチだが「ルヴァンカップでもサイドバックで出たので、そんなに緊張せずリラックスして臨めた」という。

 この日の最終ラインは中央に石原広教、右に舘幸希、左に田中という初めての組み合わせとなったが「広教くんを中心に声をかけてくれたので、自信を持ってプレーできた」と田中。前半には出足の鋭さを生かしたインターセプトから、カウンターの起点となる場面もあった。湘南スタイルはU-18チームで叩き込まれてきた。

 AC長野パルセイロU-15を経て、湘南ベルマーレU-18へ。高校2年時の2019年に2種登録選手としてトップチームに登録され、今年5月にプロ契約締結とトップ昇格が発表された。リーグ再開後、7月8日に行なわれた第3節でJ1デビューを果たし、出場4試合目で初スタメンとなった。

 試合後、リーグ首位のチームと対戦した感想を聞くと「家長(昭博)さんだったり全員に足元があって、すごくうまかった」。そんな相手にも怯まずに堂々とプレーしたが、「後半は何もできなかったし、まだまだ物足りない」と満足せず。まだ高校に通っているの18歳の新鋭は「きょうの結果は残念な形で終わってしまいましたが、これからもリーグ戦に絡めるように練習を大事にしてやっていきたい」と決意を新たにしていた。

取材◎多賀祐輔