明治安田生命J1リーグ第19節が9月26日、各地で開催され、埼玉スタジアムでは横浜FCが浦和レッズに完封勝ち。前半にMF松尾佑介が2ゴールをマークし、3戦ぶりの白星を手にした。

上写真=横浜FCのルーキー松尾が2得点の活躍(写真◎J.LEAGUE)

■2020年9月26日 J1リーグ第19節(@埼玉:観衆6,401人)
浦和 0-2 横浜FC
得点:(横)松尾佑介2

・浦和メンバー◎GK西川周作、DFトーマス・デン、岩波拓也(46分:宇賀神友弥)、槙野智章、山中亮輔(84分:マルティノス)、MF柏木陽介、柴戸海、エヴェルトン(46分:汰木康也)、関根貴大(84分:長澤和輝)、FW杉本健勇(59分:興梠慎三)、レオナルド

・横浜FCメンバー◎GK六反勇治、DFマギーニョ(73分:瀬古樹)、伊野波雅彦、小林友希、袴田裕太郎、MF松浦拓弥、安永玲央(89分:佐藤謙介)、手塚康平、松尾佑介(89分:齋藤功佑)、FW皆川佑介(59分:一美和成)、レアンドロ・ドミンゲス(59分:斉藤光毅)

「うまくゲームを運んでくれた」(下平監督)

 アウェーに乗り込んできた横浜FCはしたたかだった。

 浦和のペースで進んでいた16分、相手GKのキックミスを逃さずにチャンスにつなげる。パスをカットした手塚康平はピッチ中央付近から1本のパスでゴール前へ。左サイドで待っていたのは、浦和のアカデミー組織で育った松尾。プロとなり、初めて埼玉スタジアムでプレーする大卒ルーキーは、右足で鮮やかにゴールネットを揺らした。

 相手のミスを突いて先制ゴールを奪うと、徐々に流れは横浜FCに傾いた。1点リードの35分には目の上を切った浦和の柏木がピッチ脇で治療しているスキを突く。カバーには2トップの杉本が入っていたものの、ポジショニングがあやふやだった点は否めない。

 レアンドロ・ドミンゲスは自陣左サイドの深い位置まで下がってボールを受けると、余裕を持って右足のアウトサイドでスルーパス。アイコンタクトした松尾とのコンビネーションはあうんの呼吸である。スピード自慢の23歳はオフサイドラインぎりぎりで裏に抜け出し、フィニッシュワークも冷静そのものだった。1対1となった相手GKの動きを最後まで見て、ゴールに流し込んだ。松尾は古巣相手に2点を積み上げて、今季すでに6点目。

 2点リードすれば、チーム全体にも余裕が出てくる。後半は粘り強く守りながらうまくやりすごし、3戦ぶりの白星をつかんだ。狙いどおりに試合を進めた下平隆宏監督は、満足そうに振り返った。

「90分間、ハードワークした選手たちを評価したい。守備の時間が長くなりましたが、無失点に抑えたのは自信になります。うまくゲームを運んでくれた」

 一方、敗れた浦和は最後の牙城を崩せずにホームで無得点。ミス絡みで失点を喫するなど、大槻毅監督は厳しい顔だった。

「前半の内容はわれわれに問題があった。甘さが出た。最後までそれが響きました。事実としてミスが多かった。それが非常に問題」

 浦和はホームで2連敗。後味の悪さが残った。

取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE