鹿島アントラーズのザーゴ監督は湘南ベルマーレ戦を前にオンラインで取材に応じた。チームは現在6連勝と好調だが、その要因について指揮官はどう見ているのか。口にしたのは継続の重要性と意識の変化だった。

上写真=湘南戦を前に取材に応じたザーゴ監督(写真◎鹿島アントラーズ)

選手が確信を持てるようになった

 前回の湘南戦は、アウェーで0-1と敗れた。相手のCKの場面で集中力が途切れ、失点。ザーゴ監督は「内容が悪かったかわけではない。チャンスを決め切れずに相手に決められてしまった」と反省したが、鹿島はあの敗戦から2カ月を経た今、長足の進歩を遂げている。

 湘南戦を前に、この間のチームの成長や変化についてザーゴ監督は語った。

「新しい監督がチームに来て、要求することをすぐに実践させるのは難しい。サッカーのやり方自体が180度変わったわけですから。切り替えのスピードを早くすることや強度はシーズン当初から求めてきたことですが、それには意識に変化が必要で、いくら選手に言葉で言ったとして、頭で理解し、体に染みつき、実践できるようになるまではやはり、ある程度の時間がかかる。それでも継続してやってきて、前節のセレッソだけではなく、清水戦もそうですが、いまようやく意識が変わり、強度が変わってきたという流れにあると思います」

 指揮官が繰り返し口にしてきた「継続」が実を結び始めている実感があるという。湘南戦も、これまでやってきたことを変わらず発揮するだけと言った。

「(前回対戦したときと)チームは変わってきています。相手も当然変わっていると思いますが、まず相手の持ち味である運動量を発揮させない、波に乗らせず、勢いを出せないよういにすることが重要でしょう。それがしっかりできれば、われわれの力を発揮できるし、相手を上回ることができると思っています。自分たちの強度を落とさず、できるだけ長く持続する。やってきたことを集中力を切らさずにやり続ければ、おのずと結果が出ると思っています」

 湘南の走力を「無駄走り」にするようにボールを動かし、プレスを空転させるような戦い方が理想か。相手によって、試合の状況によって変えている『立ち位置』でしっかりプレーできれば、湘南戦も勝利をつかめるとの考えがあるのだろう。6連勝と結果がついてきたことでチームは自信を深めている。

「今シーズンは選手の入れ替わりが多かった。そうすると当然ながら選手間の信頼関係を築くにも時間が必要になる。互いの特徴を知ることもそうですし、それはスタッフと選手の間でも同じです。人がやっている以上、理論ではなく、意思の疎通が重要で、例えば、単純な単語を発したときに、みんなが『そういうことをやってほしいんだな』と理解するまでには相応の時間がかかる。それが今、だいぶスムーズになってきた。その中で練習を繰り返しやって、意図を理解し、強度が上がってきたのだと思います。そして結果が伴うようになって、選手たちがやっていることに確信を持てるようになっている」

 意識の共有が進み、チームは今、好循環の中にある。今夜、11年ぶりの7連勝のかかる湘南戦。記録達成へ、準備は整っている。