9月22日、ヴィッセル神戸がトルステン・フィンク監督の退任を発表した。後任は未定でマルコス・ビベス・アシスタントコーチが23日のJ1第18節サガン鳥栖戦で暫定的に指揮を執る。山口蛍が監督交代について語った。

上写真=突然の監督退任で、山口蛍が思いを語った(写真◎Getty Images)

「一人一人が自分に問いかけないと」

 電撃退任だ。

 J1ヴィッセル神戸のトルステン・フィンク監督が9月22日、退任したことが発表された。クラブ関係者の説明によれば、フィンク監督は21日に家庭の事情を理由にクラブに退任の意向を伝え、クラブ側は慰留したもののその日に退任が決定、翌22日16時からの練習の前に選手・スタッフに最後の挨拶をしたという。

 後任は未定で、9月23日のJ1第18節サガン鳥栖戦は、マルコス・ビベス・アシスタントコーチが同じ肩書のまま暫定的に指揮を執る予定になっている。

 マルコス・ビベス・アシスタントコーチはアカデミーコーチだった2018年9月17日にトップチームのヘッドコーチに就任し、のちにアシスタントコーチへ。プロフィールは下記の通り。

◆生年月日 1975年2月4日
◆出身地 スペイン
◆指導歴 バルセロナ大学INEFC 講師→FCバルセロナ主催「プロサッカー」マスタープログラム講師→U-19スペイン代表 スタッフメンバー→カタルーニャサッカー協会テクニカルディレクター

 22日の練習終了後に、山口蛍がオンラインで取材に応じた。

 監督の退任については「デリケートな問題なので…。僕たちもさっき知ったところなので、どういう風に伝えたらいいのかすごく難しいですけど」と前置きしながら、明日の試合に集中するべきだと話した。

「試合は待ってくれないですし、明日試合があるので、勝つことに集中しなくてはいけないと思うので、まずはしっかり明日のことを考えたいと思います」

 これまでも監督退任を経験している山口だが、試合前日に、ということはなかったそう。「どちらにしても選手もさっき聞いたばかりなので、どうかといま聞かれても答えるのが難しいです」と複雑な感情を明かしている。

 監督の退任の理由が「家庭の事情」ではあるものの、選手としてはここ7試合で勝利のない状況に責任を感じている。

「それが直接関係したかは分からないけれど、監督だけではなく選手も勝てていないことに対してもっと重く受け止めなければいけないと思います。監督が代わってすべて解決ではなくて、そこだけがすべてではなかったと思っているので」

「普段、試合に出ている選手もそうですし、今年はいろいろとイレギュラーな状況がある中で多くの選手にチャンスが与えられて、そこでもなかなか結果を出せなかったのは個人的にも思うところはありますし、他の選手たちもやっぱり責任というか考えるものがあってもいいと思います」

「果たして本当に一人ひとりが最高のパフォーマンスを出すために、練習や準備を含めてしっかりできていたのかは、一人一人が自分に問いかけないといけないと思います」

 選手である以上、どんな状況であっても試合で最高の結果を出すことが求められる。いまこの難局を迎えたからこそ、できるのは勝つために戦うことしかない。

「時間がない中で何かを大きく変えるのは難しいと思いますし、新しいことに取り組むのも難しい。自分たちが良かったときのプレーを思い出すことが必要で、自分たちが良かったときのリズムを思い出してやっていきたいと思うし、もっと勝ちに対しての執念、気持ちの部分を見せなければいけないと思います」

「いつも取材のときに話していますが、ホームで勝っていないので、そこはどうしても勝たなくてはいけないと思うし、見に来ているファンやサポーターの皆さんに毎試合毎試合ぎりぎりで追いつかれたり逆転されたりという情けない試合を見せること多かったので、やっぱりそろそろ本当に自分たちが覚悟を示さないといけないと思います」