写真◎Getty Images
浦和レッズのDFトーマス・デンは、移籍1年目から大きな存在感を示している。センターバック、サイドバックとして最終ラインを支え、いまやチームに守備に欠かせない一人となった。川崎フロンターレに敗れてなお、潜在能力の高さは示した。
上写真=センターバックだけではなく、右サイドバックとしても能力を発揮しているデン(写真◎Getty Images)
■2020年9月20日 J1リーグ第17節(@埼スタ/観衆6,357人)
浦和 0-3 川崎F
得点:(川)山根視来、小林悠、レアンドロ・ダミアン
Jリーグのレベルは高い(デン)
速くて、強くて、うまい。今季、オーストラリアのメルボン・ビクトリーから浦和レッズに加入したトーマス・デンには驚かされるばかりだ。15節のサガン鳥栖戦までセンターバックとして存在感を示したと思えば、16節の北海道コンサドーレ札幌戦からは右サイドバックで先発出場している。20日の17節川崎フロンターレ戦でもドリブラーの齋藤学を何度もストップした。鋭い切り返しにも対応し、サイドにフタをする。3失点を喫しており、守備陣の印象は決してよくないが、局面をクローズアップして見れば、守備能力の高さを確認できるはずだ。
「右サイドバックでも、センターバックでも大槻毅監督に求められていることは、ピッチで表現できていると思います」
言葉には自信があふれているものの、謙虚な姿勢は忘れていない。Jリーグのことを学び、日本の文化にも興味を示す。チームメイトたちとも積極的にコミュニケーションを取り、練習が終われば、柔和な笑顔を見せて談笑している。どのチームスタッフに聞いても、人物評は同じだ。
「トミーはナイスガイですよ」
年齢はまだ23歳と若いものの、その言動は落ち着いている。0-3と完敗したあとも、すぐに前を向いていた。
「Jリーグのレベルは高いです。簡単なリーグではありません。毎試合、精一杯力を出さないといけない。ファン・サポーターのためにも、チームのためにも、最善を尽くします。これからはもっと固く守りたいです」
後半戦の巻き返しには、頼りになる守備のマルチプレーヤーが欠かせない。
取材◎杉園昌之 写真◎Getty Images