明治安田生命J1リーグも多くのチームが折り返し。未曾有の連戦の経験を「残り半分」にどう生かしていくか、本当のチーム力が問われる。そんなとき、米本拓司が求めるのが「頭の中」。賢くプレーして上を目指していく。

上写真=負傷欠場もあったが、米本はいつもチームの中心だ(写真◎J.LEAGUE)

「一つミスしたときこそ冷静に」

 超連戦のJ1は9月23日に第18節を戦うが、延期があったため名古屋グランパスはこれが17試合目。折り返し地点にまでやってきた。序盤からシュアな守備とスピード感満載の攻撃スタイルで上位を争ってきて、川崎フロンターレに唯一の土をつけるなど、存在感を十分に示してきた。

 マッシモ・フィッカデンティ監督がスピードのある攻撃に言及するときに必ずと言っていいほど名前を出すのが、米本拓司。特に負傷で不在の時にその存在の大きさを嘆いていた。

 超連戦にあっては短期離脱であっても不在にする試合は多くなるが、米本は8月1日から23日、リーグ戦の5試合でメンバー入りしていない。

「きついのはどのチームも一緒ですし、ハードワークしないと勝てないので、きつくてもどう戦うかです。相手の特徴を自分たちがしっかり頭に入れて、うまく試合をコントロールできるように、体だけじゃなくて頭も動かして戦えば問題ないと思います」

 連戦でケガもあれば、まずはその体力面を心配してしまうのだが、逆に言えば誰もが体力的に厳しいから、勝負を分けるのが「頭の中」であることは確かかもしれない。

 その意味では、名古屋には豊富な経験を持つ「賢い」選手が揃っていると言えるだろう。賢くなければ試合に出ることができないチームなのだ。

 その頭の中身を生かして後半戦で勝ち点を積み上げていく上で、大事にするのはやはり守備だと米本は言う。

「最近は先制点を食らうことが多いので、集中を切らさずに失点しないところから入っていこうということで、前節(ヴィッセル神戸戦)で守備は改善できたと思います。1本やられたけれど(山口蛍のゴール)、ほかは危ない場面は作られませんでした。それをベースにしながら、決めるところを決めきれば自分たちが楽に試合を進められるので、小さな部分にこだわることがこの連戦では大事になってきます」

 その「小さな部分」を突き詰めないと、失点を食らう。

「一つのミスではなくて、2つ3つ重なったときに失点はするものです。だからミスを一つで終わらせられるようにチームとしてやらなければいけないんです。一つミスして後手にならずに、一つミスしたときこそ冷静に、体だけではなくて頭をクリアにしてやっていくことが重要です」

 ミスを断罪するのではなく、ミスしても一つだけで抑えられるのであればそれで十分、というメンタリティーだ。それこそまさに「賢さ」だろう。

「前半戦でできた部分は、ある程度勝ち点を稼げたことですね。崩れそうなところでも粘ってチームとして戦えたのが良かった。逆に最近は失点が多くなっているのは悔いが残ります。でも、まだまだいい順位にいると思うので、もっともっと上を目指して近づけるようにあと半分を戦っていきたい」

 確かに、ここ4試合で8失点。気になるところではあるが、まだシーズンは半分。賢く戦うチームの中心に立つ米本が、「頭」でさらなる上位への道を切り開いていく。