明治安田生命J1リーグ第17節で、ベガルタ仙台はFC東京に0-1で敗れた。スタートから3バックで臨むのは今季初めてで、失点を抑えるための布陣だったが、13分にゴールを許す。それでも後半は、浜崎拓磨と選手たちが持ち直した。

上写真=浜崎はボランチとしてよりボールに関与すべきと反省(写真◎J.LEAGUE)

■2020年9月20日 J1リーグ第17節(@味スタ:観衆4,981人)
FC東京 1-0 仙台
得点:(東)三田啓貴

「チャレンジャーの気持ちで」

 ベガルタ仙台は8月8日の第9節でヴィッセル神戸に2-1で勝利を収めて以来、勝ちに見放されてきた。木山隆之監督はこのFC東京戦で勝つために、1週間の時間を有意義に使って3バックシステムを落とし込んできた。前節は大分トリニータに0-3で、今季初めてスタートからその布陣を採用したのは「攻めたい気持ちはありますが、現状を見て失点しないことを考えて選択をしました」からだと木山監督は説明する。

 だから、13分の失点は痛かった。中盤で与えたセットプレーで、こぼれたボールをセットしないまま進められ、ゴールを許した。

 木山監督はこのゴールについて、選手に冷静さを求めた。

「ボールが止まっていなかったのではないかと選手は思うかもしれませんが、我々もできることはあったんです。(アダイウトンに対して)シマオ(・マテ)が防ぎにいったので、あと2人のセンターバックは絞っていくべきでした。ほかに最善のやるべきことはあったと思います」

 自分たちの甘さを指摘することで、不満を語る時間が無駄だと気づかせようとしたのだ。

 切り替えた後半は、より攻撃の意識が前に出た。木山監督は「ハーフタイムにもっとボールを持ってパスの質を上げてフリーなときに早めにワイドへ送ってから、いいボールを中に供給していこうと話しました。前半は相手のプレス早くて前を向けなかったので、早くワイドにボールを送る意図を出したかった」と狙いを説明した。それを浜崎拓磨が体現する。

「もう少しテンポ良く動かしたり、立ち位置を修正したり、ビビらずにボランチが受けることが必要でした。後半はスキがあれば自分で受けたり前にパスを送ることを意識してやりました」

「立ち位置については、相手の前からのプレッシャーに対して裏返すように、相手の背中側に立ったり、後ろ向きにさせる場所を意識しました。こちらが後ろ向きにボールを持って押し込まれたので、積極的にパスを前に送ることを考えていました」

 ゴールこそ割れなかったが、前半の反省を改善してリズムを引き戻すことができたのは確かだ。

 だからこそ、前半の足の重さには反省の弁がこぼれてくる。

「僕が受けて相手を引き出してからボールを散らすイメージだったのですが、ボランチの自分がチームを動かせませんでした。しっかり振り返って次に向かいたい」

 次もアウェーで、横浜F・マリノスが相手。

「中2日試合ですが、こういうときこそ一つになって向かっていかなければならないと思います。去年の王者とやれるので、チャレンジャーの気持ちで必死にやっていきたい」