明治安田生命J1リーグでFC東京は超過密日程を戦っているが、その分、若手の台頭も目覚ましい。その一人が内田宅哉だ。ボールを失わないドリブルでゴールに迫る22歳は、一刻も早くゴールを欲しがっている。

上写真=爽やかな笑顔で人気の内田。ゴールを決めて喜びたい!(写真◎FC東京)

ゴール前でドリブルで仕掛けたい

 存在感は、確実に高まっている。

 リーグ戦では第7節の鹿島アントラーズ戦で先発して以来、常にメンバー入りしていて、1試合だけベンチに座ったままだったが、11試合に出場している。

「最初は緊張していたんですけど、だいぶ慣れましたね」

 出場11試合中、先発が2試合で残りは後半からの途中交代だから、「後半に内田を入れてスイッチオン」がパターンになっていると言えるだろう。つまり、流れを変えることが主な役割となる。2018年に1試合、2019年に2試合の出場だったので今年がキャリアハイだが、その分だけ、自分を評価する材料も増えてくる。

「交代で出るからには結果を残さなければいけなくて、そこは課題です。守備のところを崩さないようにしながら、攻撃を活性化させたい」

 まだ得点はゼロだ。チャンスに絡んではいるものの、同世代の仲間たちがゴールを重ね始めているだけに、負けられない。

「攻撃にかかるときのスイッチの役目になるので、ゴール前でもっともっとドリブルで仕掛けていきたいし、そこはやっていかないといけません」

 繊細なボールタッチと足元に隠すようにしてボールを運んでいくドリブルは、十分に効果を発揮している。だからこそやはり、「数字」にこだわる気持ちが強い。

「こうやって何試合も出させてもらって、まだ数字として残せていないので、期待に応えなければいけないと思っています。もちろん、できていることもあるので続けていきたいですし、できていなこともどんどん練習して改善していければと思っています」

 昨季はケガもあって継続的なアピールができなかったが、今季はメンバーに選ばれ続けているというだけで、長谷川健太監督からの信頼がどれだけのものかは分かるだろう。いわば懐刀。

「スタメンを取りたいし、同世代には負けてはいけないので、切磋琢磨したい」とポジション取りへの意欲も増すばかり。プレー時間を増やしているいまこそ、一発決めてのし上がっていきたい。