サンフレッチェ広島の城福浩監督が、1カ月後の雪辱に強い意欲を見せた。9月13日の川崎フロンターレ戦で1-5の大敗。目指す堅守を取り戻すべく、オフ明けの練習から新たな積み上げを始めている。

上写真=9月16日の練習で選手たちの動きを見つめる城福監督(写真◎石倉利英)

青山&川辺と話し合い

 サンフレッチェ広島は2日間のオフを挟み、9月16日に練習を再開。練習後の取材で城福浩監督は「前回の試合がショッキングな結果になってしまったがゆえに、この2日間は、いろいろなことを根本的に考える時間になった」とオフについて振り返った。

 ショッキングな結果とはもちろん、13日の明治安田生命J1リーグ第16節、川崎フロンターレ戦。前半に先制され、後半立ち上がりには立て続けに3点を追加されるなど守備が崩壊し、1-5で敗れた。5失点は2018年の城福監督就任後の公式戦最多失点で、首位を独走する相手との差を見せつけられている。

 16日の練習では、狭いエリアで攻守の切り替えの攻防を繰り返すパスゲームなど、チームの基本を確認するようなメニューを消化した。「攻守にいろいろなものを積み上げてきた中で、絶対に我々が外したくないものをしっかり確認する」と意図を説明した城福監督は、「小さなリスタートと言えるかもしれない。やり方が大きく変わるわけではないけれど、特に(連戦ではなく、次の試合まで)1週間空くときは、この前の負け方からしても、そういうことが大事だと思っている」と続けた。

 全体練習後にはMF青山敏弘とMF川辺駿を呼び止め、ホワイトボードを使いながら10分以上にわたって意見交換する様子も見られた。「我々がどういうサッカーをやりたいのか、というところで、実は僕の中で、勝っていても引き分けていても、ずっと引っかかっていた部分があった」という城福監督は、「それをコーチ陣にぶつけたり、選手とも話したりして、少し整理ができた」と明かす。

 青山と川辺との話し合いについても「彼らから見た景色もある。前回の試合だけでなく、私はこう思っているけど、どうだ、ということで、彼らの意見を聞けたのは、すごくよかった」と前向きにコメント。19日の次節、柏レイソル戦に向けて「こういうことだったのか、と見れば分かっていただけるような試合にしたい」と意欲を見せた。

 川崎Fとは10月14日にホームで再び対戦する。「選手にも言いましたが、1カ月後に我々が『らしく』戦って勝ち点3を取る、という目標を与えられた」と語った城福監督は、「もちろんフロンターレ戦だけにフォーカスするのではなく、そういうチームになっていくために、新たなスタートを切りたい」と続け、まずは柏戦からの巻き返しを誓った。

取材・写真◎石倉利英